ローズバンク 21年 グレース (エリクサー)/Rosebank 21yo Grace (Elixir)

(1)特徴

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・ローズバンク 21年 グレース (エリクサー)/Rosebank 21yo Grace (Elixir)

・ローズバンク蒸溜所(エリクサー社ボトリング)

・52.6%

・マデイラ樽、アメリカンオーク樽

ローズバンクは、スコットランドのローランド地方キャメロンにある蒸溜所。蒸溜所横にあるフォース・アンド・クライド運河に野薔薇が咲き誇っていたことから名付けられました。創業はジェームズ・ランキン氏によって設立された1840年ですが、同じ場所に1798年頃から蒸溜所があった記録があるため、1798年を創業年とすることもあります(ただし1798年にあった蒸溜所とローズバンク蒸溜所との繋がりは不明)。しかしウイスキー不況の時代、1993年に保有していたユナイテッド・ディスティラリーズ社(現ディアジオ社)によって閉鎖されました。当時から比較的人気のあった蒸溜所だったため、この閉鎖によって原酒は高騰することになりました。現在はブレンダ―・インディペンデントボトラーでもあるイアンマクロード社が保有しており、再稼働を目指して現在も建設を進めています。

特徴としては、ローランド特有の3回蒸溜による軽快で華やかな風味が挙げられます。今回テイスティングしたのは、1990年と1991年蒸溜所原酒を、マデイラワイン樽とアメリカンオーク樽で21年間熟成させたもので、エリクサー・ディスティラリー社(英国小売のウイスキー・エクスチェンジ社の関係会社)がボトリングしたものです。

(2)テイスティング

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【香り】

洋梨、熟したリンゴ、マスカット、フローラルさ、蜂蜜や生クリームの甘さ、菓子パン、バニラ

 

【味】

バター、蜂蜜、リンゴ、オレンジ、マスカット、ほのかに塩気とオークのビターさ、フローラルさとハーブ。香りの印象とは違って、パリッとした切れ味の良いフルーティさ

 

【総評】

香りは上品ながら濃厚で絶妙。香りのレベルに比べると味はやや落ちるが濃厚な甘さと程よいビターさ、後味はやや引っ掛かるものの甘さが爽やかに抜けていく。マデイラワイン樽とバーボン樽のバランスも良い。流石ローズバンクと言える気品のある風味だが、閉鎖蒸留所という事を加味してもややコスパは悪い。十分旨いんだけど。