(1)特徴
・スペンサー インディアペールエール/Spencer India Pale Ale
・7.2%
スペンサーは、1950年設立のセント・ジョセフ修道院(アメリカ、マサチューセッツ州)のスペンサー醸造所で生産されていたトラピストビール。同修道院では創業直後からジャムやミントジェリーなどのトラピスト製品を生産して、売上金を修道院の必要費用や貧困者支援などに充てていましたが、更なる拡充を目指して2013年からトラピストビールの生産を始めました。アメリカでは初のトラピストビールでAuthentic Trappist Product(ATP)ラベルも取得、他のトラピストビールにはないインペリアルスタウトやIPA、フルーツビアなど幅広い銘柄をリリースして人気を博してきました。しかしコロナの影響に加えて、近隣でクラフトビール醸造所が激増したこともあり、事業継続することが困難になったとのことで、2022年5月に残念ながら閉鎖されました。現在は閉鎖前に生産された在庫が販売されているのみとなっています。
今回テイスティングしたのはアメリカンIPAです。アメリカンIPAと伝統的なイングリッシュIPAはそこまで大きな差がある訳では無いですが、アメリカンIPAの方がホップ由来の風味がより華やかで濃厚とされています。
(2)テイスティング
【香り】
草っぽいハーブ、とても強いフローラルさ、オレンジ、ライチ、煮詰めたフルーツや蜂蜜、甘い香りが広がる
【味】
甘口で濃厚なIPA。甘めのオレンジ、蜂蜜、麦汁、草っぽいハーブ、香り同様フローラルさも強く広がる。やや甘くしつこめの余韻
【総評】★
かなり旨味と甘味のしっかりした現代的なIPA。IPAらしい草っぽいビターさも強いが、フルーティさやフローラルさもかなりしっかり。全体的に分厚いボディで、余韻は少ししつこめ。