ベンロマック 10年/Benromach 10 yo

(1)特徴

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・ベンロマック 10年/Benromach 10 yo

・ベンロマック蒸溜所

・43%

・バーボン樽、シェリー樽

 

ベンロマック蒸溜所は1898年設立、スペイサイドにある蒸溜所です。かつてキャンベルタウンにあったグレンネヴィス蒸溜所で働いていたマッカラムと酒販売ブローカーだったブリックマンが設立しました。しかしウイスキー不況下にあって生産が開始されたのは1990年になってから、しかも同年に資金不足により閉鎖するという憂き目にあいます。その後幾つかの会社に買収されることを繰り返し、1993年に現オーナーのインディペンデントボトラーズのゴードン&マックファイル社(GM社)が買収、設備を改修したのち1998年から生産を再開しました。これはGM社が1895年に設立されて以来念願だった自社蒸溜所の保有でもありました。
生産能力は年間15万リットルほどでスペイサイドでは最小クラスです。麦芽にはミディアムレベルでピートを焚いており、スコッチらしいスモーキーさも堪能できます。また本10年物の熟成にはソレラシステムと呼ばれるシェリーの熟成方法を採用しており、品質を安定しつつ高い熟成感を生み出しています。

 

(2)テイスティング

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【香り】

生クリーム、レザー、枯葉と枯れ枝、マンゴープリン、オレンジピール、生ハム、さくらんぼ、オーク、ナッツ

 

【味】

クリーミーかつスパイシー。葉巻のスモーキーさ、シロップ、バニラ、灰っぽいピート、ペッパー。余韻は麦芽とスパイス

 

【総評】

アルコール感が皆無でクリーミー&スパイシーな口当たり。10年物としては熟成感があって素晴らしい出来。ピートのスモーキーさもそこそこ強めで、葉巻や枯葉を燃やした様なやや湿気たスモーキーさと灰っぽい余韻が感じられる。良い樽をうまく使っていることが良く分かる、変な癖や味付け感は無いもののしっかり重厚な風味。さすがGM社と感じさせてくれる。