(1)特徴
・アデルフィ ブレンデッド/Adelphi Blended
・アデルフィ社
インディペンデントボトラーのアデルフィ社が発売しているブレンデッドウイスキー。歴史自体は意外と古く、1826年、グレイ兄弟によって建てられたグラスゴー蒸溜所(グレーンウイスキーの蒸溜所)に遡ります。しかし1902年の買収後に閉鎖(1907年)します。
過ぎること1993年、創業者の玄孫であるジェイミー・ウォーカーがインディペンデントボトラーズとして再開。ウイスキー評論家のチャールズ・マクリーンによって選ばれて高品質なウイスキーをリリースするボトラーズとして有名になりました。また2014年には、念願の蒸溜所建設・蒸溜再開へと繋がりました。これが近年注目を集めている蒸溜所、アードナムルッカン蒸溜所です。
今回テイスティングするのは、アデルフィ社が保有する原酒使ったブレンデッドウイスキーです。4つ蒸溜所のグレーンウイスキー、スペイサイドやアイラモルトをバッティングし、シェリー樽のようなソレラシステムで継ぎ足しすることでブレンドされていることも特徴です。アイラ特有のピート感と、スペイサイド特有のフルーティさがそれぞれ主張した風味となっています。
(2)テイスティング
【香り】
ニス、バーボンっぽいエステル香、アイラっぽい塩気の含んだ海藻っぽいピート香、綿菓子、べっこう飴、古い革製品、エンジンオイル、バナナ、オレンジ、コリアンダーやクローブ
【味】
塩気、湿ったオークとスパイス、花の蜜やフルーツ、コリアンダー、ウッドスモーク
【総評】
アイラモルト由来の海藻を含んだピートスモークやコリアンダー、バーボンっぽいニスや接着剤っぽいエステル香など、かなり個性的なブレンデッドウイスキー。樽感もかなり強い。熟成感は若く、概ね5年前後か?各構成原酒の個性がぶつかり合っている印象。値段は安いので手を出しやすいが、これならジョニ黒で良いんじゃないかとも思える。独特の癖はカクテルベースなどには向いていそう。