(1)特徴
・オクトモア 11.3/Octomore 11.3
・ブルックラディ蒸溜所
・61.7%、194ppm
・アイラ島(ブルックラディ農場)産大麦使用、1stアメリカンオーク樽(バーボン樽)にて5年熟成
オクトモアは、ブルックラディ蒸溜所の3種類あるコアレンジ商品の一つ(他は、ヘビリーピーテッドのポートシャーロット、ノンピーテッドのクラシックラディ)。オクトモア11シリーズは、11.2や11.3、11シリーズでは無いですが10年物と共に、2020年にリリースされたものです。枝番に関する説明は過去の記事で書いているので割愛しますが、11.3はアイラ島のオクトモア農場産の大麦(コンチェルト種)を使用しており、バーボン樽にて5年間熟成したものです。
今回テイスティングする11.3は、194ppmというオクトモアとしては久々の高いピート値(フェノール値)の原酒となっています。オクトモアらしいパンチのあるピートと、バーボン樽由来のバニラの甘さを楽しめる一本です。
なお去年の同枝番の10.3と、今年リリースの11.1については下記の記事を参照ください。
(2)テイスティング
【香り】
11.1よりも軽快でフレッシュな香り。磯っ気のあるピートスモーク、グレープフルーツやレモン、ポンカンや少し熟していないリンゴ、アーモンド、ミントや芝生っぽい青青しさ、ヨーグルト、微かにカスタード。加水すると湿ったようなウッドスモークが表に良く出てくる。
【味】
スパイシーで塩っ気の強い口当たり。オーク感のある煮詰めたシロップ、潮気、グリルしたレモンやグレープフルーツ、燻した藁、焦がしたオーク、若干のカスタード。余韻はビターな樽感や燻製。加水すると甘さが増して、酸味とのバランスが良くなりGood。
【総評】
11.1より甘みは控えめで、スパイシーさやピート、フルーツやハーブも強く表に出た一本。加水すると甘さとピートと酸味のバランスが良くなり、ガラッと印象が変わる。加水も考慮すると11.1よりも11.3の方が好み。完成度は高い。