(1)特徴
・オクトモア 11.1/Octomore 11.1
・ブルックラディ蒸溜所
・59.4%、139.6ppm
・1stバーボン樽で5年熟成
オクトモアは、ブルックラディ蒸溜所の3種類あるコアレンジ商品の一つ(他は、ヘビリーピーテッドのポートシャーロット、ノンピーテッドのクラシックラディ)。オクトモア11シリーズは、11.2や11.3、11シリーズでは無いですが10年物と共に、2020年にリリースされたものです。枝番に関する説明は過去の記事で書いているので割愛しますが、11.1はスコットランド産大麦を使用しており、バーボン樽にて熟成をしたものです。
今回テイスティングする11.1は、139.6ppmという相変わらず高いフェノール値の原酒を使用しており、オクトモアらしいパンチのあるピートと、バーボン樽由来のバニラの甘さを楽しめる一本です。
(2)テイスティング
【香り】
潮っぽさのあるピートスモーク、灰や黒鉛、刈りたての芝生、レモンやライムの柑橘感、海辺の石のような鉱物感、生姜。徐々にバニラや洋梨っぽい甘さ、麦芽の香ばしさも出てくる。ウッドスモークも時間を置いた方が良く出てくる。加水すると甘めの柑橘感が増す。
【味】
かなりバニラやブラウンシュガーの甘くクリーミーな口当たりから、ヨード感の強い強烈なピートスモーク、スパイシーな香辛料やオークに繋がる。焦がしたオーク、柑橘、ジンで感じるジュニパーベリーやハーブのような草っぽい香りも強く感じる。余韻はタバコやウッドスモークと潮気。
【総評】
短熟ながら甘さがしっかり強く出ていて、口当たりもクリーミー。ただしオクトモアらしいバチバチとしたピート感も充分に感じられて完成度の高い一本。ヨード感も強め。昨年の10.1より出来は良いように思う(好みの問題だが)。これ位の力強さがちょうどいい。