ポートシャーロット 10年/Port Charlotte 10yo

(1)特徴

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・ポートシャーロット 10年/Port Charlotte 10yo

・ブルックラディ蒸溜所

・50%

・1stアメリカンウイスキー樽 65%、2ndアメリカンウイスキー樽 10%、2ndフレンチワイン樽 25%

 

ポートシャーロット10年は、ブルックラディ蒸溜所の3つあるコアレンジラインナップのうち、ヘビリーピーテッドタイプのウイスキーです(それ以外では、ノンピートタイプのブルックラディ(クラシックラディ)、スーパー・ヘビリーピーテッドのオクトモア)。ピートと言ってもスコットランド本土のピートを使用していることから、他のアイラウイスキー(典型的なものはラフロイグ)とは少し違い、磯臭さは弱く、むしろ焚火のような煙臭さが特徴的です。

ブルックラディ蒸留所といえば、テロワール(ワイン、コーヒー、茶などの品種における、生育地の地理、地勢、気候による特徴を指すフランス語)の概念をウイスキーにも反映させようとしている蒸留所としても有名で、麦芽やピートなどもスコットランド産・アイラ島産に拘って製造しています。また多様な樽で熟成させた実験的な製品でも有名で、今回のポートシャーロット10年も、コアレンジ品にしては複雑な樽構成となっていることが分かります。

特徴としては、ウッドスモークとフルーツや砂糖の甘さの融合した、複雑で甘臭い風味が挙げられます。アルコール度数も50%と高く、その分濃厚な風味が味わえます。

 

(2)テイスティング

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【香り】

塩キャラメル、ウッディなスモークと若干の潮気、なめした革製品、バニラ、バター、煮詰めたブラウンシュガー、オレンジピール、ぶどう、プラム、牧草。赤いフルーツを含んだ甘臭い香り。

 

【味】

甘い蜜とウッドスモーク、潮気、若干のヨード感、バニラ、カスタード。余韻はペッパーのような刺激と、ウッドスモーク。かなり甘口な入りから、最後はスモーキーさとウッディさのある、まったりとしたフィニッシュ。

 

【総評】

アイラピートではなく内陸ピートのスモーキーさ。ブルックラディと言えば多彩な樽熟成に特徴があるが、このポートシャーロット10年も、ワイン樽の影響を大きく受けた複雑で濃厚な風味がピートに負けておらず、さすがの一本。コアレンジの10年物と思えないほどの完成度で、近年ファンが増えていることも納得。これから長熟物が出てくるのが楽しみです。