(1)特徴
・カリラ 12年/Caol Ila
・カリラ蒸留所(ディアジオ社所有)
・43%
・700mL、約4000円
カリラ蒸留所は、Caol(海峡)+Ila(アイラ島)を意味しており、その名の通り、アイラ島北東部、アイラ島とジュラ島の海峡に面した場所に位置しています。
カリラ蒸留所の生産量は年間660万Lとアイラ島最大を誇っていますが、その知名度はアードベッグやラフロイグ、ラガヴーリンと比較すると低くなっています。その要因として、ブレンデッドウイスキーであるジョニーウォーカーのキーモルトとして使われていたものの、シングルモルトとしての発売が2002年までほとんど無かったことが挙げられます。
味の特徴としては、アイラ島の他のウイスキーに比べてピート感が控えめで、柑橘の酸味や蜂蜜の甘みが感じられる、(アイラの中では)比較的癖の少ない風味であることが挙げられます。
(2)テイスティング
【香り】
レモンやオレンジなどの柑橘の酸味、磯っぽさを含むピートスモーク、アーモンドや麦芽、花の蜜やココナッツのような爽やかな甘み、樽由来のウッディさも良く感じられる。全体的にサッパリ酸味のあるスモーキーさが感じられる。
【味】
軽快で、酸味とヨード感のある口当たり。微かなバニラの甘み、ハーブや牧草のような草っぽいビターさ、レモンピール、飲み込むと潮気のあるスモークさが広がる。余韻はスパイシーさやハーブ感、オーク感が続き、切れ味良く終わる。
【総評】
軽快で切れ味が良く、地味ながら仕事をきっちりこなす、アイラウイスキーの中では1番2番バッターと言える存在。ジョニーウォーカー好きならまず始めに試してほしいシングルモルト。アイラを飲んでいるとどんどん癖の強い銘柄を追ってしまいがちですが、アイラらしさがありながら爽やかな風味は、常に安心できる存在と言えます。