アードベッグ 2023年リリース情報

アードベッグ蒸溜所の2023年以降リリース予定のボトルについて、2023年1月時点で分かる範囲で記載しようと思います。

(1)アードベッグ ヘビー ヴェイパー/Ardbeg Heavy Vapours

2023年のアードベッグデーボトルと言われているのが、ヘビー ヴェイパーです。アードベッグの軽快な風味を生み出している精溜器の影響を取り除いて蒸溜した原酒を使用しており、ヘビー ヴェイパー(重い蒸気)という名前の通り、通常より重厚な風味を味わえるとのこと。テイスティングノートとしては、土っぽさやダークチョコレート、ペパーミントの香味に加えて、アニシードやシナモン、メントールの風味が感じられるようです。

軽快な口あたりが特徴となっているアードベッグがどのように変わるのか、楽しみな一本となります。

※更新 アードベッグデーボトルとして、4月18日にコミッティ会員向けボトル、5月に一般向けボトルがリリースされると発表されました

(2)アードベッグ アナモルフィック/Ardbeg Anamorphic

Ardbeg Anamorphic - Front Label

コミッティリリースとして予定されている、アナモルフィック。アナモルフィックとは、平面を立体に見せたり、逆に立体を平面に見せたりする錯視効果を利用した芸術技法のひとつです。ラベルもそれを意識したデザインとなるようです。

樽をトーストする際にカスクヘッド(樽の両側にある蓋のような部分:下図)を取り除くことで、より多くのオークを露出させ、それによって起こる影響を追求したとのこと。これにより潮気は穏やかに、チョコレートやモカの風味が強調された味になったとのことです。度々アードベッグがリリースしている、樽加工に工夫を凝らしたシリーズ(スコーチ、ドラム、アリゲーターなど)の一つと言え、過去のリリースとの比較が楽しみな一本です。

Oak Barrel Information

(3)アードベッグ アンソロジー ザ・ハーピーズ・テール 13年/Ardbeg Anthology The Harpy’s Tale 13 Year Old

ソーテルヌワイン樽で熟成したアードベッグ原酒を、バーボン樽で熟成した原酒をバッティングした商品。熟成期間は13年です。甘さとスモーキーさが融合し、レモンピールやバルサミコ酢、フレッシュなアプリコットロール、そこにタールロープのようなピート感が味わえるとのことです。

ちなみに今回のテーマになっているハーピー(ハルピュイア)は、ギリシャ神話の伝説の生き物で、下絵のような半分女性・半分鳥の姿をしています。アンソロジーボトルはシリーズ化されるとの噂もあり、今後は同じように、ワイン樽熟成原酒をバッティングしたものがリリースされるのかも知れません。そうなると非常に楽しみですですね。

Harpy - Wikipedia

(4)アードベッグ ビザーベキュー/Ardbeg BizarreBQ

最後は読み方が分かりませんが、BizarreBQ(ビザーベキュー?)です。奇妙なという意味のBizarreとBBQの造語です。ダブルチャーリングオーク樽、ペドロヒメネスシェリー樽、そして実験的に作られたBBQ樽(海藻と白樺の木を入れた火鉢の上でトーストしたオーク)で熟成させた原酒をバッティングしたものとのこと。スモークハムやアーティチョークのグリル、ステーキ、シナモンをまぶしたエスプレッソの香りが特徴となっているようです。

※更新 4月3日から蒸溜所とドイツ市場で先行販売され、それ以外の地域では遅れてリリースされるようです

(5)その他

上で紹介したボトル以外に、アードベッグ トリーバン 19年 バッチ5やアードベッグ 25年などの最新バッチのリリースも予定されているようです。また2023年途中でも新たなボトルリリースも予想されているため、今年もアードベッグから目が離せない1年となりそうです。