マッカラン 18年 1997年リリース/Macallan 18yo 1997 Release

(1)特徴

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マッカラン 18年 1997 Release/Macallan 18yo 1997 Release

マッカラン蒸留所

・43%

 

1997年に発売されたマッカラン18年で、18年以上熟成させた(1979年以前の蒸溜)原酒をバッティングしたものです。マッカラン蒸溜所と言えば『シングルモルトロールスロイス』とも称される上品なシェリー樽熟成原酒で有名です。ただ使用している麦の種類や瓶詰め時の処理方法、シェリー樽の品質などを含め、多くの変更が行われてきた結果、「現在のマッカランは品質が落ちてしまっている」と言われることが多くあります。このあたりの詳細は下記サイトなどにもあるので、興味のある方はご一読ください。

rinascimento.co.jp

 

個人的には、マッカラン黄金期(と言われる80年代以前)は生まれてすらいませんし、過去どうだったという話は余り興味が無いのですが(と言うか高すぎてボトルでは買えない)、どこかで試してみたいとの思いがあったところ運よくサンプルをテイスティングできる機会があったので、レビューしてみようと思います。本サンプルは1997年にリリースされた18年物なので、蒸溜は1979年以前、大麦はゴールデンプロミス種が使用されている期間になります。

 

(2)テイスティング

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【香り】

円やかな口当たり、ラムレーズン、生キャラメル、バニラ、香ばしい麦芽

 

【味】

しっかりしたロースト麦芽の風味、オーク、フローラルさ、バタークリーム、シナモン系のスパイス、塩キャラメル、ぶどう 

 

【総評】

今のマッカランと比較すると酒質は遥かにしっかりしており、麦芽の風味が強い。香りはコニャックのような円い熟成感があり、口に含むとまだ力強さが存分にある。フローラルでオイリー、塩キャラメルやブドウの甘さは上品。まだ熟成の余力を残した長熟向きの酒質で、今のスプリングバンクに近い印象を受ける(風味は全然違うが)。

正直大枚をはたいて買うほどの味とは思わないが、今のマッカランと比べると一目瞭然で、2000年代からウイスキーを飲み始めた自分としては非常に面白いテイスティングでした。とは言え、過去のマッカランも今のマッカランも、強く批判も絶賛もするつもりは無いです。近年のマッカランの味の変化は、大麦種のほかに冷却濾過やシェリー樽の状態の変化も挙げられているので、一概に何が要因とは言いずらいですし。実際に、昨年リリースされたクラシックカットはバーボン樽とシェリー樽のバッティングでしたが、これはこれで非常に美しいバランスで好みでした。いずれにせよ、時代の流れの中の変化を楽しめるようになりたいと思う次第です。