(1)特徴
※上記画像は参考です
・リトルミル 29年 1991 ケイデンヘッド/Littlemill 29yo 1991 Cadenhead
・リトルミル蒸溜所/ケイデンヘッド社ボトリング
・48.1%
・バーボン樽熟成
リトルミル蒸溜所は1772年設立、スコットランドでもかなり初期からある蒸溜所の一つで、ローランド地方に位置しています。1300年代には(政府公認前ですが)既に生産していたとの言い伝えもあり、スコットランド最古の公認蒸留所でもあります(最古の蒸溜所というとグレンリベットが思いつきますが、グレンリベットは1823年に施行された法律に基づく政府公認第1号で、設立自体は最古ではないです)。何度か閉鎖や再建を繰り返し、最後はロッホ・ローモンド社が保有していました。その後1997年に閉鎖され、残された建物も2004年に火事で焼失してしまいました。
特徴としては紙や段ボールっぽい風味です。そのため過去そこまで人気の高い蒸溜所ではなかったものの、長熟のものはトロピカルフレーバーなども現れると言われており、閉鎖蒸留所で原酒が少ないこともあって、現在では人気が高まってきています。
今回テイスティングしたものは、ケイデンヘッド社の2020年テイスティングサンプルで、製品化されていない1991年蒸溜/29年熟成のものです。上の画像は2021年に発売された1991年蒸溜/30年熟成の商品ですが、蒸溜年数等を考慮すると同じものではないかと思われます。テイスティングイベントの様子は下記のYouTubeにて見れますので、興味のある人はご覧になってください。
(2)テイスティング
【香り】
芳香剤のようなフローラルさ、マジパン、古紙、カビ、バラやゼラニウム、バニラカスタード
【味】
オイリー。生クリーム、パン、癖の少ない南国フルーツ、ローストパイナップル、紙やハーブ燻した様なスモーキーさ、オーク、ぶどうやベリー。余韻はかなり長く、スモークした南国フルーツ、ココナッツ
【総評】
かなり個性的で面白い風味。古紙やカビっぽい蔵の中のような香りとフローラルさ、味はオイリーな生クリームと癖少な目の南国フルーツ。 少しブローラに通じるスモーキーさも、独特な紙感は唯一無二。癖になりそうな旨さ。