(1)特徴
・ブナハーブン アイラフェス2021 マスタークラス・テイスティング/Bunnahabhain Fèis Ìle 2021 Masterclass Tasting
⓪ブナハーブン 12年/Bunnahabhain 12 yo
①ブナハーブン 2001 19年 マルサラフィニッシュ/Fèis Ìle 2021: 2001 Marsala Finish
②ブナハーブン 2013 7年 モーニャ(モアンヌ) ボルドーフィニッシュ/Fèis Ìle 2021: 2013 Mòine Bordeaux Finish
・ブナハーブン蒸溜所
2021年6月4日に開催されたアイラフェス2021(Fèis Ìle 2021)、ブナハーブン蒸溜所のオンラインイベント、マスタークラス・テイスティング(今年のアイラフェス限定ボトル2つ+12年のテイスティング)のレビューです。
2021年のアイラフェスボトルは、①2001年蒸溜/19年熟成のマルサラカスクフィニッシュ、②2013年蒸溜/7年熟成のモーニャ(もしくはモアンヌ:ピーテッドタイプ原酒)・ボルドーカスクフィニッシュ、の2つです。ブナハーブン蒸溜所のアイラフェスボトルと言えば、18年前後のローピート原酒+7年前後のピート原酒、の2つの組み合わせで毎年発売しており、今年も同様の構成になっています。この辺は、ノンピーテッド麦芽とピーテッド麦芽両方を使っている蒸溜所ならではですね。
①写真左:2001マルサラフィニッシュ
2001年ビンテージのノンピーテッド原酒を、2016年から4年半マルサラワイン樽(バット樽)で追加熟成したもの。19年熟成(2001年10月8日蒸溜→2021年1月19日ボトリング)。
②写真右:2013ボルドーフィニッシュ
2013年ビンテージのピーテッド原酒を、ボルドー赤ワイン樽で追加熟成(期間不明)したもの。7年熟成(オフィシャル等一部に何故か8年と書いていますが、正確には2013年10月10日蒸溜→2020年11月25日ボトリングの7年物です)。
※下の写真がテイスティングイベントで使用したテイスティングセット。真っ赤なソファーが特徴的なパッケージ(上の写真は外装)やピンバッチ、箱やサンプルボトルのデザインまで凝っていて非常におしゃれです。実際にイベント中も、デザインにも自信を持っている、と話していたのも納得です。
テイスティングイベントの様子は、下記のFacebookページでも閲覧可能です。日本時間の朝4時からのテイスティングにも関わらず、「東京からも参加者がいる」と蒸溜所の人も興奮していました(ちなみに東京から出たのは私ではないです)。
(2)テイスティング
⓪ブナハーブン 12年
※コアレンジ品のブナハーブン。家に開栓済ミニボトルがあったので、今回はそれをテイスティングしました。
【香り】
りんご、レーズン、煮詰めたキャラメル、フローラル、微かにコーヒー
【味】
軽やかでスパイシー、フローラル、蜂蜜、りんご、カラメル、ハーブのビターさ、オーク
①2001年蒸溜/19年熟成、マルサラ樽フィニッシュ
【香り】
煮たチェリー、ラズベリー、フローラルさ、チョコレート、練乳とカスタード、焦がしたオーク、ややスモークやタバコ感も感じられる。
【味】
力強い味わい。オーク、キャラメル、バター、微かなスモーキーさ、ハーブ、フローラル、スパイシーでタンニン感のある余韻。
②2013年蒸溜/7年熟成モーニャ(モアンヌ)、ボルドー赤ワイン樽フィニッシュ
【香り】
湿った木のようなスモーキーさ、レザーブック、煮詰めたぶどうの皮、桃、プラム、オーク、チェリー風味のチョコレート
【味】
チェリー、ダークグレープ、スモークとオーク、キャラメル、チョコレート、コーヒー、ブドウとその皮目、バター、若干灰っぽい余韻
(3)総評
力強いバターやキャラメル、フローラルさが楽しめるマルサラフィニッシュ。チェリーやダークグレープ、スモーキーさとタンニンが楽しめるモアンヌのボルドーフィニッシュ。それぞれブナハーブンらしいフルーティ&フローラルな個性を持ちつつ、良い具合にフィニッシュの影響がしっかり出ていて、とてもバラエティに富んだ楽しいセットでした。
アイラモルトの中では地味な存在だが、個人的はイチオシのブナハーブン。アイラフェスの限定ボトルの出来も良く、例年ローピーテッド原酒とピーテッド原酒の2種類を販売しており、かつ今回のテイスティングイベントのようなサンプルも沢山ストックしてくれるので、色々な種類が手軽に楽しめてお財布にも優しい。 入手難易度が高いアードベッグとかを追いかけるのが疲れた人は、是非ブナハーブンを試してほしい。めちゃくちゃオススメ。