(1)特徴
・リンクウッド 12年(花と動物シリーズ)/Linkwood 12yo(Flora and Fauna)
・リンクウッド蒸溜所
・43%
リンクウッド蒸溜所は、1821年設立の、スペイサイドのエルギン地区に位置する蒸溜所。原酒の殆どはジョニーウォーカーやホワイトホースなどのブレンデッドウイスキーに使用されており、シングルモルトとしての発売は生産量の1%ほどです。定期的にリリースされているのは、今回レビューするディアジオ社の『花と動物シリーズ』くらいしかありません。
たまに聞く「蒸溜所の中には環境の変化を極端に嫌うところもあり、クモの巣一つを除くことも嫌がる」と言う話、リンクウッド蒸溜所もそのうちの一つで、かつて蒸溜器が交換された際に、蒸溜器のへこみやクモの巣まで再現された(それが酒質に影響を与えることを嫌った)という逸話もあります。また現在は、味の変化を嫌って、新設された蒸留器と古い蒸溜器それぞれで蒸溜された原酒をバッティングして、味を平準化した上で樽詰めしています。
特徴は、癖が少なくフルーティで華やかな風味が挙げられます。
(2)テイスティング
【香り】
華やかなフルーツとフローラル、カスタード、リンゴ、梨、ミント、レモン系の柑橘
【味】
滑らかでクリーミー、シロップで煮込んだリンゴ、軽く焦がしたオーク、キャラメル、タンニン、シナモン。加水するとリンゴチップスのような爽やかな酸味と甘み
【総評】
とても滑らかでクリーミーで、熟成感もしっかり感じられる。アップルパイのようなローストしたリンゴと蜜の甘み、そこにオークやタンニンなどの樽由来の風味も良く感じられる。しっかりした甘さ、かつ熟しすぎていない軽快さもあり、とてもバランスが良い。クオリティが高く、普段飲みにとても良い。