スプリングバンク 8年 PX/Springbank 8yo PX

(1)特徴

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※画像は参考、実際テイスティングしたものと違う可能性あり

スプリングバンク 8年 PX/Springbank 8yo PX

スプリングバンク蒸溜所

・56.8%

・(オロロソシェリー樽・バーボン樽で6年半熟成後?)ペドロヒメネスシェリー樽で18か月追熟

 

スプリングバンク蒸溜所の2020年バーチャル・オープンデー向けのカスクサンプル。ペドロヒメネスシェリー樽で18か月の熟成をかけたものです。18か月の追熟以前の情報が分かりませんでしたが、下記YouTubeにも残っている2020年のバーチャル・オープンデーにて「ここ2年はPXやアモンティリャードなど色々なシェリー樽に挑戦してきた」との発言があったので、おそらくPX以前はスプリングバンクではオーソドックスなオロロソシェリー樽やバーボン樽での熟成(をバッティングして追加熟成した)と思われます。

上の写真は2019年のオープンデーボトルです。今回のサンプルも(度数も同じなので)これと同じかと思ったのですが、2020年オープンデーではあくまで「カスクサンプル」と記載されており、YouTubeでも前年ボトルとのコメントも無かったので、おそらく別物です。およそ8年熟成と思えないほどの濃厚な色の通り、短熟らしからぬ滑らかで濃厚なシェリー樽由来の風味が特徴です。

なお今回テイスティングしたサンプルは、昨年10月のバーチャル・テイスティングで販売されたものです。YouTubeに動画が残されていますので、興味のある方は下記ご覧ください。


(2)テイスティング

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【香り】

キャラメル、ブラウンシュガー、煮詰めたフルーツ、生クリーム、オーク。少量加水でカスタード感も良く開く。とにかく濃厚なシェリーボムだが、嫌みは無く滑らかで濃厚な香り。

 

【味】

樽由来のオーク感とビターさ、滑らかでクリーミー。甘く煮たブドウ、生クリームやバター、アメリカンチェリーのシロップ付け、ナッツ。加水するとややビターさが増し、ハーブ感も出てくる。少し多め、トゥワイスアップ近くの加水の方が風味のバランスは良くまとまる。

 

【総評】

かなり濃厚で甘口のシェリーボム。8年熟成とはとても思えず、15年近くありそうな濃厚さと滑らかさ。評判の良かったキルケランの8年CS(2019年リリース) よりも個人的にはずっと好みで、甘みの複雑さ(奥の方に生クリーム感もある)とシェリーの上品さが抜群。奥行きがやや乏しいところが短熟らしい点だが、十分な美味。