ベンリアック スモーキー12年/BenRiach The Smoky Twelve

(1)特徴

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・ベンリアック スモーキー12年/BenRiach The Smoky Twelve

・ベンリアック蒸留所

・46%

・700mL、約7000円

・バーボン樽、シェリー樽、マルサラ樽

 

ベンリアックの2020年リニューアル品のレビュー第4弾。今回はベンリアック スモーキー12年です。

 

スモーキー12年は、50ppmというヘビーピートタイプの麦芽を使用したウイスキーで、バーボン樽、シェリー樽、マルサラ樽にて12年以上熟成させた原酒をバッティングさせたものです。「ベンリアック スモーキー10年を2年余分に熟成しただけでしょ」と一見思えますが、実際には使用している樽が、スモーキー10年(バーボン樽、ラム樽、バージンオーク樽)と熟成樽が全く異なっており、別物と考えるべきでしょう。味わいとしては他のベンリアックと同じフルーティーさを持っていますが、スモーキー10年とは違ったピート感であったりフルーティさを感じることのできる一品です。

 

なおベンリアック蒸留所の2020年リニューアルラインナップに関する以前のレビューは下記を参照ください。

 

liquor366.hatenablog.com

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(2)テイスティング

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【香り】

潮っ気がありややケミカルなピートスモーク、プルーン、プラム、イチジク、オレンジ、バニラ、アーモンド、チョコレートブラウニー。

 

【味】

ピート由来のヨード感、レモンやオレンジのビターさのある酸味、ブラウンシュガー、胡椒、オーク、カカオ。余韻はオークとスモーキーさ、微かなコーヒー感。

 

【総評】

スモーキー10年と比べると、12年の方がフレッシュなフルーツ感とシェリー樽由来のブドウ香が感じられる。ピートも燃やした木のようなスモーキーさだった10年と違い、やや潮気やケミカル感を感じるアイラ寄りなピート香。アルコール感は10年より丸くなっており、香りはシェリー樽やマルサラ樽由来のブドウやブラウンシュガーっぽい甘みが際立つ、反面味わいは若々しい印象(悪い意味ではなく、フレッシュさがあるという感じ)。スモーキー10年とは似てはいるが別物。ピート好きの人は、出来れば一緒のタイミングで飲み比べてほしい。個人的な感想としては、アイラ好きならスモーキー12年、アイランズや内陸系ピートが好きならスモーキー10年が向いていると思う。