ラフロイグ クオーターカスク/Laphroaig Quarter Cask

(1)特徴

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ラフロイグ クオーターカスクLaphroaig Quarter Cask

ラフロイグ蒸留所

・バーボン樽熟成後、クオーターバーボン樽にて追加熟成

・48%

・700mL、約4000円

 

癖の強いことで有名なラフロイグ。その中では比較的(あくまでラフロイグ10年との比較)癖が少ないのが、このクオーターカスク。通常ウイスキーの熟成に使用するバーボン樽(約500L)より小さい樽(クオーター=1/4=約125L)を使用することで、樽と原酒の接触面積を大きくし、それによって熟成が早まるという手法を使用しています。樽由来の風味が速く・強く出ることから、新しく建設された蒸留所の若い原酒の販売用として使用されることも多いです(アードナムルッカンなど。ラフロイグの場合は原酒不足を補うため、若い原酒でも熟成が十分進むようにクオーターカスクが用いられているものと思われます)。

(2)テイスティング

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【香り】

甘いバニラ、生クリーム、木の香り、レモン、ライム。ラフロイグ10年と比べて、より甘みが前面に来る。ピート香も勿論あるが、10年に比べると穏やかで、薬品臭というより磯臭い感じ。加水すると落ち着いたバニラと青りんご。

 

【味】

キレのあるバニラや蜂蜜の甘さ、柑橘の皮の苦み、オークの風味も強い。加水するとなめらかな生クリームや花の蜜のような、酸味を伴った甘い口当たりになる。フィニッシュはピートフレーバーとレモンピールのような苦み。苦みの余韻がやや長め。

 

【総評】

ラフロイグ10年と比べると、ピート感は穏やかに、樽の香り(木材の香りとバーボン由来のバニラ感)がより前面にでた一本。アルコール感は若干強いが、風味が十分出ているのでアルコール臭さは無い。ラフロイグ好きな人でも、10年より好きな人はいるんじゃないかという良い出来な気がする(オークの香りを楽しみたい人は特に)。ピートの物足りなさや味の荒々しさはあるものの、ストレートにロックに、気軽に楽しめる。