（１）特徴
・グレンアラヒー 10年 CS バッチ4／GlenAllachie 10yo CS Batch 4
・グレンアラヒー蒸溜所
・56.1 %
・ペドロヒメネスシェリー樽（パンチョン）、オロロソシェリー樽（パンチョン）、バージンオーク樽
グレンアラヒー蒸溜所は1967年、スペイサイド地方のアベラワーに設立された蒸溜所です。以前はブレンデッドウイスキーへの原酒供給をメインにしており、シングルモルトとしてのリリースは殆どありませんでした。しかし2017年に大手メーカー傘下からビリーウォーカー氏（シングルモルト界隈では有名な方で、ベンリアックやグレンドロナックなどをプロデュースして一気に知名度を上げた立役者）が所有権を取得したことがきっかけで、シングルモルトとしてのラインナップが年々充実してきている注目の銘柄です。特徴としては、スペイサイドらしい華やかさだけでなく、しっかりとした骨格と奥行きのある豊かな味わいが挙げられます。
今回テイスティングしたのはグレンアラヒーの10年熟成物、カスクストレングスのバッチ4です。現在のグレンアラヒーの高い評価を決定的なものにしたボトルで、ウイスキーマガジンのワールド・ウイスキー・アワード2021でワールドベストシングルモルトに選ばれています。カスクストレングスであることに加えて複雑な樽構成であることも特徴で、非常に濃厚な風味で人気を博しています。
（２）テイスティング
【香り】
チェリーやリンゴのタルト、プルーン、オレンジピール、ローストしたベリー、トーストしたオークと穀物の殻、キャラメルやバニラ
【味】
スパイシーな口あたり。ペッパー、ローストしたオレンジやベリー、チェリーリキュール、干しブドウ、キャラメル、ローストしたオークと麦芽。オーキーでスモーキーでビター、落ち着いているが華やかな甘さも含んだ余韻
【総評】★
後発のバッチ6や7と比べるとねっとりとした甘さではなく、華やかながらオーキーさやロースト感が強く感じられる落ち着いたバランス。ややビターさはあるが甘さもしっかり含まれていて良い感じの熟成感。10年らしいフレッシュさもあり非常に良い出来だと思う。
