(1)特徴
・スペンサー トラピスト インペリアルスタウト/Spencer Trappist Imperial Stout
・8.7%
・トラピストエール、ロシアンインペリアルスタウト
スペンサーは、1950年設立のセント・ジョセフ修道院(アメリカ、マサチューセッツ州)のスペンサー醸造所で生産されていたトラピストエール。同修道院では創業直後からジャムやミントジェリーなどのトラピスト製品を生産して、売上金を修道院の必要費用や貧困者支援などに充てていましたが、更なる拡充を目指して2013年からトラピストビールの生産を始めました。アメリカでは初のトラピストビールでAuthentic Trappist Product(ATP)ラベルも取得、他のトラピストビールにはないインペリアルスタウトやIPA、フルーツビアなど幅広い銘柄をリリースして人気を博してきました。しかしコロナの影響に加えて、近隣でクラフトビール醸造所が激増したこともあり、事業継続することが困難になったとのことで、2022年5月に残念ながら閉鎖されました。現在は閉鎖前に生産された商品が一部リリースされるのみとなっています。
今回テイスティングしたのは、スペンサーのインペリアルスタウトです。160度で高温焙煎されたチョコレートモルトを使用した高アルコールのスタウトで、元々はロシアの女帝カテリーナに献上する目的でロンドンで18世紀に造られたことが起源です。
(2)テイスティング
【香り】
ローストしたコーヒーや麦芽、ダークチョコレート、ドライいちじくやプルーン、オレンジ、スモーク感あるオークやハーブ
【味】
ダークチョコレート、深煎りコーヒーとロースト麦芽、オレンジ、プルーンやいちじく
【総評】★
どっしり落ち着いた甘味とビターさの分厚いスタウト。ダークフルーツ主体の甘さはしつこくなく穏やか、ロースト感が主体の落ち着いた風味、インペリアルとしてはやや軽快寄りで飲みやすい。他のスペンサーのビールと共通した、派手さは無いが落ち着いた風味。