アンカー スチーム ビール/Anchor Steam Beer

(1)特徴

Anchor Steam Week Goes Virtual Featuring Toro y Moi & Melissa King |  Brewbound

・アンカー スチーム ビール/Anchor Steam Beer

・アンカー醸造所(アメリカ)

・4.9%

・カリフォルニアコモン、スチームビール

アンカーは、1896年にアメリカのカリフォルニアで創業した醸造所。アメリカでは近年数多くのクラフトブルワリーが設立されていますが、100年以上の長い歴史がある珍しい醸造所です。創業者はドイツ人醸造家のゴットリープ・ブレックル氏で、業績が悪化して倒産寸前になっていた1965年にフリッツ・メイタグ氏が買収して再建、2017年からはサッポロホールディングスの傘下になっています。

今回テイスティングしたのは同醸造所を代表するカリフォルニアコモン(スチームビール)で、通常は低温発酵させるラガー酵母をエール酵母並みの高温で発酵させることで、ラガー酵母特有の軽快な切れ味と、エール酵母特有のフルーティさを併せ持つ特徴を持っています。冷蔵技術が無かった時代にカリフォルニアで生まれたスタイルでです。ラガービール主流のアメリカ市場で、新たなスタイルとして人気を博し、現在の地位を築いてきた歴史があります。ちなみに「スチームビール」は、瓶を開けた際に泡が噴き出やすいことから付けられた別称とのことです。

(2)テイスティング

【香り】

キャラメルタルト、麦芽酵母のこもった風味、リンゴサイダー

 

【味】

リンゴ、麦芽、オーク感のあるハーブ、余韻にビターさがあるが控えめ

 

【総評】

まろやかで重すぎない程度に分厚い麦芽感。ドイツ系ビールと似てはいるが、少し酵母の癖が表に出ていてビールが苦手な人は厳しそう。フルーティさはエールに比べればぐっと穏やかでシンプルだが、リンゴ系のすっきりしたフルーティさがしっかり感じられる。他のラガーと比べる楽しさがあり、良い意味で他にはない個性がある歴史的な一本。