スペンサー トラピストエール/Spencer Trappist Ale

(1)特徴

Trappist Ale - Spencer Brewery - Untappd

・スペンサー トラピストエール/Spencer Trappist Ale

・スペンサー醸造所、セント・ジョセフ修道院アメリカ)

・6.5%

・トラピストエール、ベルギーペールエール、パータースビア

スペンサーは、1950年設立のセント・ジョセフ修道院アメリカ、マサチューセッツ州)のスペンサー醸造所で生産されていたトラピストエール。同修道院では創業直後からジャムやミントジェリーなどのトラピスト製品を生産して、売上金を修道院の必要費用や貧困者支援などに充てていましたが、更なる拡充を目指して2013年からトラピストビールの生産を始めました。アメリカでは初のトラピストビールでAuthentic Trappist Product(ATP)ラベルも取得、他のトラピストビールにはないインペリアルスタウトやIPA、フルーツビアなど幅広い銘柄をリリースして人気を博してきました。しかしコロナの影響に加えて、近隣でクラフトビール醸造所が激増したこともあり、事業継続することが困難になったとのことで、2022年5月に残念ながら閉鎖されました。現在は閉鎖前に生産された商品が一部リリースされるのみとなっています。

今回テイスティングしたのは、同醸造所が初めてリリースした商品で、ベルギーの伝統的なパータースビア(フラマン語でFather's beerの意味。修道士が普段の夕食と一緒に飲むことを目的としたビール)を再現したとのことです。ボティはしっかりしているものの、トラピストビールとしては比較的軽快な飲み口となっています。

(2)テイスティング

【香り】

粉っぽい穀物の香ばしさ、コリアンダー系のハーブ、黄色いフルーツ、桜桃、バニラ

 

【味】

オレンジやグレープフルーツの酸味あるフルーティさ、柑橘ピール、コリアンダー、分厚い麦芽と微かなオーク。ハーブのビターさが余韻に残る

 

【総評】

麦芽の分厚さはドイツビールや他のトラピストビールぽいが全体的には軽快な風味で、IPA 程では無いにしてもコリアンダーっぽさもあるビターなハーブ感も特徴的。どことなくヴァイスビアっぽい雰囲気も。普段飲みには非常に良いバランスで、トラピストビールとしてでは無くても結構優秀。個人的に結構好みの味なので、閉鎖されたのは残念。