キングスバーンズ ファミリーリザーブ/Kingsbarns Family Reserve

(1)特徴

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・キングスバーンズ ファミリーリザーブ/Kingsbarns Family Reserve

・キングスバーンズ蒸溜所

・59.2%

・バーボンバレル樽90%、STRワインバリック樽10%

キングズバーンズ蒸溜所は、スコットランド・ローランド地方のファイフに位置する、2014年創業の蒸溜所です。ファイフはキャメロンブリッジ蒸溜所が長年ありましたが、近年はダフトミルなどの新興蒸溜所の設立が相次いで活気づいています。

キングスバーンズでは、3~5日の長期発酵、8時間のウォッシュスチルでの初溜工程など、かなりじっくりと時間をかけた工程を採用しており、2回蒸溜ながらかなり軽快な酒質を実現させています。また2種の酵母を使用することで、円やかさと強いエステル香を実現させているとのことです。

今回テイスティングしたファミリーリザーブは、2020年からリリースされているシリーズで、同蒸溜所のフラッグシップであるDream to Drumと同じ樽(90%がバーボンバレル樽、10%がSTR(Shaved, Toasted and Re-charred)ワインバリック樽)構成で、高いアルコール度数、熟成年数は4年前後の原酒を使用しているとみられます。これ位の短熟ボトルの場合、最近は樽影響が強く出た原酒を使用して若い原酒の癖をできるだけ隠したものが多いのですが、キングズバーンズでは逆に原酒の個性を生かした素直な風味を目指しているようです。

(2)テイスティング

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【香り】

乾いたオーク、蜂蜜、ジャスミン、シュークリ―ム、オレンジピール、杏。加水するとリンゴの蜜も

 

【味】

とてもピリピリとしたジンジャーや唐辛子のようなスパイシーな口あたり、蜂蜜、オーク、ショートブレット

 

【総評】

スパイシーさがかなり強い。加水するとリンゴ系のフルーティさも増すので、比較的多めの加水でちょうど良いポイントを探したい。そういう点では、ハイボールや水割りには向いているのかも知れない。これが完成形という訳ではなく、あくまで熟成の過程を感じさせてくれるようなシンプルな風味構成で、変に着飾った印象の短熟リリースが多い中ではむしろ好印象。