(1)特徴
・グレンオード 10年 2004 /Glen Ord 10yo 2004
・グレンオード蒸溜所(ケイデンヘッド社ボトリング)
・60.5%
・バーボンバット樽
グレンオード蒸溜所はスコットランドのハイランド地方、インバネス北西にある1836年創設の蒸溜所。オーナーはディアジオ社で、製麦所があるためディアジオ社の他蒸溜所の供給拠点にもなっています。また原酒の大半はオールドパーやデュワーズなどのブレンデッドウイスキーに供給されています。一部は「シングルトン」の名前でシングルモルトとしてもリリースしていますが、シングルトンは蒸溜所名でなくブランド名。しかも使用される原酒はグレンオード蒸溜所だけでなくダフタウン蒸溜所やグレンダラン蒸溜所のものもあり、初見はかなり混乱します。具体的には「シングルトン」のうちアジア向けがグレンオード、アメリカ向けがグレンダラン、ヨーロッパ向けがダフタウンが使用されています。だとしても分かりにくい!
今回テイスティングしたのは、2004年蒸溜原酒をバーボンバット樽で10年間熟成させたものを、ケイデンヘッド社がボトリングしたものです。
(2)テイスティング
【香り】
海辺の朽ちた木、生クリーム、過熟気味のリンゴや洋梨、ウエハース、塩気
【味】
ピリッとした刺激、シロップの甘さ、リンゴの蜜、洋梨、シリアル、塩気、燻したハーブやオークの余韻
【総評】
リンゴや洋梨が背後にありながらも、メインは湿気たオークやシリアルや塩気でハイランドらしい風味。素朴さとフルーティさが良い具合に調和していて、華やかながら落ち着きのある印象。舌に来る刺激は10年熟成らしい強さだが、それでも熟成年数の割には円熟味が十分にある。