ベンロマック ピートスモーク 2018リリース/Benromach Peat Smoke 2018

(1)特徴

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・ベンロマック ピートスモーク 2018リリース/Benromach Peat Smoke 2018

・ベンロマック蒸溜所

・46%

・2009年蒸溜後1stフィルバーボン樽で9年間熟成(2018年ボトリング)
 

ベンロマック蒸溜所は1898年設立、スペイサイドにある蒸溜所です。かつてキャンベルタウンにあったグレンネヴィス蒸溜所で働いていたマッカラムと酒販売ブローカーだったブリックマンが設立しました。しかしウイスキー不況下にあって生産が開始されたのは1990年になってから、しかも同年に資金不足により閉鎖するという憂き目にあいます。その後幾つかの会社に買収されることを繰り返し、1993年に現オーナーのインディペンデントボトラーズのゴードン&マックファイル社(GM社)が買収、設備を改修したのち1998年から生産を再開しました。これはGM社が1895年に設立されて以来念願だった自社蒸溜所の保有でもありました。
生産能力は年間15万リットルほどでスペイサイドでは最小クラスです。麦芽にはミディアムレベルでピートを焚いており、スコッチらしいスモーキーさも堪能できます。

今回テイスティングしたものはフェノール値47ppmのヘビリーピーテッド麦芽を使用した原酒を、1stフィルバーボン樽で9年間熟成したものです。ベンロマックの持つピート感がより強調され、フルーティさもシンプルに抑えられた一本となっています。

 

(2)テイスティング

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【香り】

塩気のある乾いたピート、オーク、プラム、グァバ、パイナップル、微かに生クリーム

 

【味】

塩気強め。焦がしたオークのビターさ、ピートスモーク、ローストしたパイナップルや柑橘、シロップ、海水。どっしりした飲み口で余韻も長い 

 

【総評】

塩気やオークが他のコアレンジと比較すると強く、奥からさっぱり系の南国フルーツの甘い風味がピートスモークとともにやってくる。結構パンチがあって飲みごたえがあり、余韻も長い。ベンロマックは通常の10年でもピートがしっかり効いているので、それと比べてスモーキーさが格段に増したというほどではない。むしろフルーティさや甘さがシャープになった影響でピートスモークもよりクリアに感じることができる印象。