(1)特徴
・ブルックラディ ターナリープロジェクト/Bruichladdich Ternary Project
・ブルックラディ蒸溜所
・52.1%
ブルックラディ蒸溜所が2021年にリリースした限定ボトルです。ターナリーは『3つからなる』を意味しており、その名の通りブルックラディの3つのシングルモルトブランド、アンピーテッドのブルックラディが30%、へビリーピーテッドのポートシャーロットが40%、スーパーへビリーピーテッドのオクトモアが30%という割合でブレンドしたものです。詳細を書くと下記のような構成になっているようです。
ブルックラディ(30%)
1998年の閉鎖以前蒸溜のアンピーテッド原酒を使用。2ndフィルのバーボンホグスヘッド樽で熟成後、フレンチ赤ワイン樽に移して熟成、最後にペドロヒメネスシェリー樽で追加熟成。
ポートシャーロット(40%)
2001年の再開直後蒸溜のへビリーピーテッド原酒を使用。1stフィルのバーボンバレル樽、1stフィルのオロロソシェリー樽、1stフィルのヴァージンオーク樽でそれぞれ熟成。
オクトモア(30%)
2008年蒸溜のスーパーへビリーピーテッド原酒を使用。ソーテルヌワイン樽、仏ムールヴェードルワイン樽、オーストリアスウィートワイン樽、アマローネワイン樽、バーボン樽でそれぞれ熟成。
ブルックラディ蒸溜所限定(オンラインでも購入可能)でリリースされた、蒸溜責任者のサンプルルームでの仕事から着想を得た、スモールバッチでの実験的シリーズとのことです。
(2)テイスティング
【香り】
萩の月、カスタード、プラムやチェリー、柔らかなピートスモーク、トフィー、柿やマンゴーのようなやや発酵感のあるフルーティさも
【味】
美しウッドスモーク、プラムやベリー、塩気、オレンジ、トフィー、ダークチョコレート
【総評】★★
非常に複雑で奥行きのある、美しい風味。3つのシングルモルトの持つ風味の幅広さ、多様な樽由来の甘さがとてもうまくマッチしていると思う。ブルックラディの個性をしっかり感じられるし、最近飲んだ中ではかなり上位に入る出来。
人気の高い年数入りのシングルモルトではなくブレンデッド(正確には同一蒸溜所モルト原酒のブレンドなのでシングルモルトを名乗れる)、しかも275ポンド=約45000円という割高な値段設定ゆえに現時点でもオフィシャルサイトで売れ残っており、やや失敗に近いリリースになっているが、完成度はかなり良いと思う。そういう意味では、2021年アイラフェスボトルのラディ オリジンに近いコンセプト、出来の良さ、そして人気の無さ(笑)だと思う。個人的にも試飲する前に買うのは高すぎるなと躊躇していたが、試飲してから(オークションで値崩れしていた)ボトルを入手した。ブランド名にこだわらず楽しみたい人にはオススメ。