ハイコースト 7年 ケイデンヘッド/High Coast 7yo Cadenhead

(1)特徴

 

・ハイコースト 7年 ケイデンヘッド/High Coast 7yo Cadenhead

・ハイコースト蒸溜所(スウェーデン

・61.8%

・ノンピート原酒90.5%とピーテッド原酒9.5%をバッティング後、アメリカンオーク新樽で7年熟成

ハイコースト蒸溜所はスウェーデンに2010年に設立された蒸溜所です。元々はボックス蒸溜所という名前でしたが、商標などの関係で揉めたらしく現在はハイコースト蒸溜所に改名しています。生産能力は最大35万L、そのうち実際には20万Lほどの生産量のようです。ストックホルムから北に500kmという立地上、夏は30度、冬はマイナス30度という強烈な寒暖差のある地で熟成させていることも大きな特徴と言える蒸溜所です。またピーテッド麦芽とノンピーテッド麦芽を使用しており、今回テイスティングしたサンプルはシングルカスクながら46ppmのピーテッド麦芽を用いたピーテッド原酒9.5%と、ノンピーテッド原酒90.5%をバッティングした後、アメリカンオーク樽で熟成させたものです。

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今回テイスティングしたのは、2021年5月のオンラインテイスティングイベントのサンプルです。イベントの様子は下記のYouTubeでも閲覧することが可能です。

www.youtube.com

(2)テイスティング

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【香り】

穏やかなレザー、オーク、キャラメル、苔、ブラウンシュガー、マジパン。加水すると甘い乳製品や練乳、バニラ 

 

【味】

枯れたような穏やかなピート、燻した藁、マジパン、砂糖やシロップの甘味、焦がしたオーク、ローストした穀物、甘い乳製品、乳酸、バニラ

  

【総評】

フェノール値は約4-5ppmだが、オークやレザー感のある風味の奥に燻した藁のようなピート香もそこそこちゃんと感じられる。新樽での熟成なのでオーク感もしっかり、甘さはブラウンシュガーやマジパンのようなニュアンスが主だが、奥の方から甘めのヨーグルトやバニラ、乳酸のような酸味も出てきて変化が楽しい。7年熟成らしい樽感+原酒の個性がストレートに出ている風味も、意外と多層的。原酒の影響だろうか?熟成の影響だろうか?今回はケイデンヘッドのボトリングだったので、実際に蒸溜所でのボトリング・熟成の商品も試してみたくなった、個性的な一本。