(1)特徴
・ジャックダニエル シングルバレルセレクト/Jack Daniels Single Barrel Select
・ジャックダニエル蒸留所
・45~47%
・700mL、約6000円
アメリカンウイスキーで最も売れている銘柄であるジャックダニエル。アメリカのテネシー州で造られており、バーボンと少し違う製法を取っていることからテネシーウイスキーを名乗っています(バーボンと言っても大して違和感は無いですが・・・)。その違いは、チャコール・メローイングと呼ばれる製法にあります。これは「蒸留したニューポッド(樽詰め前の原酒)を、サトウカエデ(メープルシロップの取れる木)の木炭で濾過する」という工程の事です。炭と言えば、水のカルキ臭さを取り除く効果でも良く知られていますが、それと同様、サトウカエデの木炭が蒸留酒の癖のある成分を取り除く役目を果たします。そのため、他のアメリカンウイスキー(主にバーボン)に比べて、軽くすっきりした飲み口が特徴です。そのすっきりした風味から、カクテルベースとして使われることも多い銘柄です。
本品は通常のジャックダニエルと違い、シングルバレル(単一の熟成樽)をビン詰めしたもので、アルコール度数も通常の40%より高い45~47%となっています。そのため、ジャックダニエルらしいバニラ香やハーブ香、樽感などがより強く感じることができる一品です。
(2)テイスティング
【香り】
エステリー、バニラやシロップの甘い香り、ミントやリコリスのような癖のあるハーブ、ペンキのような溶剤、フレッシュで焦げたオークと穀物。加水すると一気にさっぱり感が増し、オークと穀物の爽やかな香りがメインになる。
【味】
ライトな飲み口も、すぐにライ麦のスパイシーな刺激が来る。穀物由来の甘み、溶剤のような人工的なニュアンス、リコリスの癖のある風味(ハリボーでリコリス味がありますが癖が強すぎて地雷扱いされますね。。。)、オークの香り。加水すると飲み口が軽く円やかになり、かき氷シロップを薄めたような甘さ、ややハーブっぽいビターさが増す。ロックはビターさも軽減され、さらに飲みやすくなる。
【総評】
ジャックダニエルは学生の頃にストレートで飲んで、ペンキのような香りに苦手意識があったが、しばらく振りに飲むと、さっぱりジャンキーな風味が心地よい。ただやはりストレートというよりも、ロックやカクテルベースがベター。バーで良く使われる理由が良く分かる。