(1)特徴
・ラ・トラップ ヴィッテ トラピスト/La Trappe Witte Trappist
・コニングスホーヴェン醸造所(オランダ)
・5.5%
・トラピストエール、ウィットビア
ラ・トラップはオランダのコニングスホーヴェン修道院で醸造されているトラピストエールの一つ。1996年から高齢化と人手不足で民間業者と契約し製造委託し始めたことでトラピストビールの名称やロゴの使用許可の取り消しがされたものの、引き続きコニングスホーヴェン醸造所がロゴを使用し続けたためトラピスト会と軋轢が発生。最終的には、修道士が醸造に関与する事でトラピストビールとしての地位を復活、2005年から再び正式なトラピストビールとなった経緯があります。
今回テイスティングしたのはウィットビアで、トラピストビールとしては初めて発売された小麦ビールです(現在はEngelszell Weißeなどもあります)。ヒューガルデンのような通常のベルジャンホワイトビールはオレンジピールとコリアンダーが含まれていますが、ラ・トラッペのヴィッテには含まれていません(水、大麦、小麦、ホップ、グルコースシロップ、酵母)。そのため小麦の香ばしさとフルーティさに加えて、ホップ(サフィル)由来の柑橘感とスパイシーさ、ビターさがしっかり出ている風味となっています。
(2)テイスティング
【香り】
小麦、黄桃やビワの黄色いフルーツ、柑橘、リンゴ。微かにメロン、クローブやコリアンダーなどのハーブ
【味】
軽快な穀物、柑橘、パイナップル。飲み込むと香ばしい小麦、スパイシーながら円やかなハーブが広がる。香り同様、少しコリアンダーっぽさが感じられる(原料には含まれていないはずだが・・・)
【総評】
シンプルながら華やかもしっかりある小麦ビール。黄色いフルーツを中心とするフルーティさとスパイスが華やか、穀物感は軽快で飲み口はとても軽い。最近はもっと分厚い方が好みになったが、こういった軽快な小麦感も爽やかで美味。グラスの選択を間違った気がするが、エール系のビアグラスでも十分楽しめた。