(1)特徴
・ポートエレン 1974 22年 Silent Stills Cask#6754/Port Ellen 1974 22yo Silent Stills Cask#6754
・ポートエレン蒸溜所(シグナトリー社ボトリング)
・59.2%
ポートエレン蒸溜所は、1825年にアイラ島南部のポートエレンに設立された蒸溜所です(設立当初は製粉所で、1833年から蒸溜開始)。非常に有名な閉鎖蒸留所なので細かい歴史は他のサイトを参照頂きたいのですが、ざっくり下記のような流れになっています。
・1925年設立(蒸溜は1933年~1892年)
・1925年にDCL社(現ディアジオ)に買収
・1930年に閉鎖
・1967年に再開
・1983年に閉鎖(ディアジオ社の所有する蒸溜所の整理の一環)
・2017年にディアジオ社が再開を発表(2021年に蒸留開始予定もやや遅延中)
アイラ島独特のピート香と華やかな風味が特徴で、閉鎖前も人気のあった蒸溜所ではありましたが、1983年の閉鎖によって価格が高騰。一番有名な閉鎖蒸溜所であり、新規リリースが非常に高額であることでも知られています。
今回テイスティングしたのは、シグナトリー社がサイレントスチルシリーズとして1997年にリリースしたもので、1974年蒸溜・1997年ボトリングの22年熟成シングルカスクです。
(2)テイスティング
【香り】
潮っぽいピートスモーク、オイリーさ、柑橘、ワクシーなレザー、プラム、びわ
【味】
灰やウッドスモークが香った時以上に強く広がる。甘いシロップ、柑橘、バニラカスタード、ローストした柑橘とピール、麦芽。クリーミーな口あたり
【総評】
比較的上品ながらもしっかりアイラを感じる芯のあるピート。口あたりはとても甘く、そこに柑橘と麦芽、潮気と灰っぽさがガツンと広がる。良くできたスモーキーかつ華やかな風味で、値段相応かと言われると高すぎると言わざるを得ないが、さすがポートエレンと言える一杯。