1. ウイスキー選びの悩み
ウイスキー、特にスコッチウイスキー(もっと言えばスコッチのシングルモルト)に興味を持った時に誰しもが困ること、それは「どのウイスキーがどんな特徴があるのか」ではないだろうか?私の場合、初めにハマったきっかけが幸い(?)にも癖の強いラフロイグだったので、その点では簡単だった。アードベッグやカリラ、ボウモアなどの癖の強いアイラウイスキーを試していけば良く、かつ種類も少ないので、バーで注文するにしてもボトルを購入して宅飲みするにしても、迷うことが少なくラクちんでした。
しかしこれが「華やかな香りのウイスキーが好き」となると途端に難しくなります。仮にスペイサイド地方(スコッチウイスキーの一大拠点)の銘柄に絞ったところで、数十種類の蒸留所があり混乱は必至。取り敢えず安くて入手しやすいグレンフィディックやグレンリベットあたりから始めて・・・バーのマスターに聞いてみて・・・ウェブ上の情報を漁ってみて・・・とするのが基本的な方法でしょう。
この記事では、これからスコッチウイスキーに挑戦したい方、幾つか試したけど違う特徴のものに挑戦したい方、周りに相談できる人がいない方のために、ウイスキーのテイスティング・マップを紹介しようと思います!
2. ウイスキー テイスティングマップ
★★★マップを見る前の注意点★★★
★このTasting Mapは、ネット上でまとめていた幾つかの情報+筆者の個人的経験に基づいて作成しています。
★味の感じ方には個人差があります。また同一銘柄であっても、製造時期や開封時期によって風味が変わりますので、必ずしも評価が一定というわけではございません。
★そもそもですが、ウイスキーの風味自体は四軸(Light, Rich, Delicate, Smoky)だけで簡単に分類できるものではないです。例えばRichであれば酒質が強いものから樽由来の風味が強いものがマップ上では一緒くたになっており、近い位置≠近い味、であることに注意ください。
★上記を理解の上、あくまで参考情報としてご使用ください。
マップ上での色の違いは、生産地の大まかな区分です。各地域の特色は、ざっくり括弧内のような感じです。
茶・・・スペイサイド(フルーティーで華やか)
黄・・・ハイランド(落ち着いていてバランスがいい)
緑・・・ローランド(酒質が軽く穀物のフレーバーが強い)
紫・・・キャンベルタウン(潮気と甘み、華やかな香りが入り混じる)
青・・・アイランズ(潮気の強いものから円やかなものまで個性豊か)
赤・・・アイラ島(スモーキーで潮っぽい)
※グレー・・・閉鎖蒸留所
※ピンク・・・日本の蒸留所
(スコットランド地図。色分けがウイスキーマップと少し違う点はご容赦ください)
3. 好みのスコッチ・シングルモルトの探し方
①グレンフィディックGlenfiddich、グレンリベットGlenlivetを飲んでみよう
記事の初めの方にも書きましたが、何だかんだ言ってこの方法がやり易い。理由としては、(1)癖が少なく、(2)華やか、(3)値段も手頃、(4)入手しやすい、と言った点が挙げられます。また日本のウイスキー(山崎や白州など)とも系統が近いため、日本のシングルモルトを常飲していて、スコッチに挑戦する場合にも試しやすい銘柄と思います。
②テイスティングマップを旅してみよう
グレンリベット、グレンフィディックはテイスティングマップ上では横15縦10らへんに位置しています。ここから、繊細(Delicate)・軽やか(Light)・重厚(Rich)・スモーキー(Smoky)な方向に旅してみよう。それぞれの方向に進む上でオススメの銘柄を上げていこう。これら銘柄も比較的安価で入手しやすいと思います。
繊細(Delicate)・・・グレンリベット15/18年、オーヘントッシャンAuchentochan、
軽やか(Light)・・・ジュラJura、ブルイックラディ・レディクラッシックLaddie Classic
重厚(Rich)・・・グレンドロナックGlendDonach、マッカランMacallan、グレンファークラスGlenfarclas
スモーキー(Smoky)・・・タリスカーTalisker、ボウモアBowmore、スプリングバンクSpringbank
③バーに行ってみよう
①②で興味のある方向ができたら、ぜひバーに行ってみて欲しい。これまで何となく有名銘柄を頼んでいたところから、自分の好み(繊細(Delicate)or 軽やか(Light)or 重厚(Rich)or スモーキー(Smoky))を伝えることができるはずです。そうすれば、マップに無い蒸留所の銘柄や、同じ蒸留所で熟成期間の異なる商品など、色々な味に挑戦することができる。もうそうなれば、初心者の域は脱し、立派なウイスキー沼の住民です!