グレングラント 18年/Glen Grant 18yo

(1)特徴 

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・グレングラント 18年/Glen Grant 18yo

・グレングラント蒸溜所/カンパリグループ

・43%

・バーボン樽、オロロソシェリー樽

 

グレングラント蒸溜所は1840年創業、スコットランドのスペイサイドに位置しています。かつてはシーバスリーガルで有名なシーバスブラザーズ社が保有していましたが、2005年からイタリアのカンパリグループが保有(リキュールが有名ですが、ウイスキーもワイルドターキーなどを保有)しています。この買収は、グレングラントがイタリアで最も売れているシングルモルトである、という事が背景にあります。イタリアでよく売れているのは5~10年熟成物で、ストレートやカクテルベースとして、その軽快で華やかな風味が人気を博しているようです。

 

グレン グラント18年は、コアレンジ品の中では長熟に位置づけられる商品で、グレングラント特有のポットスチルや、原料のノンピート大麦麦芽により、繊細で華やかな風味が特徴です。主にバーボン樽熟成原酒を使用されていますが、そこに少量ながらオロロソシェリー樽で熟成した原酒もバッティングされているようです。品評会等での評価も高く、ジム・マーレー氏が毎年発売しているウイスキーバイブルにて、2017年のスコッチウイスキー部門で一番にランクインしたことでも知られています。

 

(2)テイスティング

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【香り】

注ぎたてはバニラやクリームのクリーミーな甘い香り、ナッツ、青りんご。やや時間がたつと青りんごや和梨のフレッシュなフルーティさが際立ってくる。ミントやレモングラス系のハーブ、エルダーフラワー。加水すると、青りんご味のガムのような、やや人工的な甘味を伴ったフルーティさが強くなる。

 

【味】

麦芽と若干の塩気、樽由来のオーク、花の蜜、ナッツ、唐辛子やペッパー的なスパイス感も少し感じる。麦芽はノンピートという事だが、ウッディさの中に若干のスモークさもある。甘い蜂蜜というより、ビターな花そのものの味や花の蜜の甘さ。加水すると、よりビターさが出てきて、麦芽の風味も強くなる。

 

【総評】

スペイサイドのモルトウイスキーの特徴をよく体現している風味。華やかなフルーティさとフルーラルさを持ちながら麦芽感もしっかりあり、飲み応えがある。グレンフィディックに香味は近い気がするが、より麦芽感が強く、かつ透き通ったようなフレッシュな印象を受ける。上品ながら芯の通った一本。