(1)特徴
・バルヴェニー17年 ダブルウッド/Balvenie 17y DoubleWood
・バルヴェニー蒸留所
・43%
・アメリカンオーク・バーボン樽、ヨーロピアンオーク・シェリー樽後熟
バルヴェニーは、グレンフィディック蒸留所の第2蒸留所として1892年に創業した蒸留所で、グレンフィディック同様にスペイサイド地方に位置しています。ちなみに「バルヴェニー」はゲール語で『山の麓の集落』を意味しています(当地にかつてあった、バルヴェニー城の跡地に建てたことも由来とのこと)。
バルヴェニーは今時珍しいフロアモルティングでの麦芽処理・ピート処理を行っていたり(スプリングバンクもそうですね)、バルヴェニーボールと呼ばれるネックにこぶが付いた独特の蒸溜ポッド(香り成分がじっくり抽出できるようです)を使用していたり、地味ながら真面目で個性的な蒸留所です。
バルヴェニー17年は、さらに樽熟成にも拘った製品で、バーボン樽での熟成後にシェリー樽で後熟されています。長期熟成ならではの円やかな味わいに加えて、シェリー樽由来の甘みやスパイシーさも味わえる一品です。
(2)テイスティング
【香り】
円やかで角のないバニラ、蜂蜜、バター、ブランデー、完熟したミカン、ナッツ。ストレートでの香り立ちはそこまで無く、上品で柔らかい香り。加水すると柑橘系のフルーティーさは奥に消えて、バニラ・蜂蜜が支配。
【味】
オイリーでクリーミーなバニラの甘さ、オレンジピール、アーモンド。フィニッシュは、ややビターなチョコレートとナッツ、スパイス、オーク感が長く続く。
【総評】
香りから味から余韻まで上品な一本。突出した特徴は無いものの、中期熟成ならではの円やかさ、酒質の強さとオイリーさ、バニラと控えめなシェリーのバランスは素晴らしい。ジャパニーズウイスキー(山崎とか)に近い系統かとは思う。山崎ほどではないものの値段がやや高いことがネック。バーなどで試して頂きたい一本。