(1) タリスカー ポートリーの特徴
タリスカー蒸留所はスコットランドの北西部のスカイ島にあります。代表的な銘柄として、タリスカー10年があります。アイラとは違ったピート感や潮味、黒コショウと評されるスパイシーさが特徴的で、日本でもハイボールでの人気が高いウイスキーです。タリスカー ポートリーは、タリスカーをポートワイン樽フィニッシュさせた製品で、スモーキーさと甘さのバランスが特徴的です。
タリスカー ポートリーは、アメリカンオークとヨーロピアンオークのリフィル樽で熟成させた原酒と、ヘヴィリーチャー(内側を強く焦がした)樽で熟成させた原酒をバッティングし、ポートワイン樽で追熟させたタリスカーです。
(輸入元説明文より引用)
ポートリーとは、スカイ島最大の港町の名前。商品名の“PORT RUIGHE”はゲール語のスペルを用いています(英語表記はPortree)。ポートワイン樽での追加熟成により、タリスカー独自の潮の風味にリッチなベリー系の香りが絡み合い、魅惑的な風味を生み出しています。
下の写真はスカイ島を観光した時に、タリスカー蒸留所に立ち寄ったもの(1枚目)と商品名にもなったポートリー港(2枚目)。スカイ島は起伏があり自然豊かな場所。イギリスのリゾート地としても有名で、魚介は旨く、アウトドアも存分に楽しめる。
(2) テイスティング
【商品スペック】
・タリスカー ポートリー/Talisker Port Ruighe
・タリスカー蒸留所
・45.8%
・7000円前後/700mL
【香り】
焦げた樽、煙、潮気、ハーブ、プラム、練乳のかかった苺、バニラ。加水すると煙臭さとプラム感が強調。甘臭い香りで、ポートシャーロット10年(ブルイックラディ蒸留所)に系統は近いが、磯臭さとプラム感が特徴的。
【味】
蜂蜜やプラム、桃の甘さが始めに来て、そのあと一気に潮気と共に煙やハーブが広がる。最後に磯気と胡椒感、微かな酸味を伴った甘さや樽感が残る。キャンプファイヤー終盤の甘じょっぱい焼きおにぎり。
【総評】
タリスカー10年と比べると、より焦げ臭い感じが強く、かつポートワイン由来の甘い完熟フルーツ香も楽しめる。タリスカー10年が夏にサッパリ飲みたい味わいなら、ポートリーは冬にじっくり温まる味わい。お湯割りも推奨。
木を燃やしたスモーキーさと塩加減、ポートワイン由来の甘さのバランスが素晴らしく、個人的にかなりのヒット作。コスパが良い。タリスカーのノンエイジでは、他にストームやスカイがあるが、これらとはベクトルが異なっており、タリスカー好きにはもちろんのこと、アイラ好きにも強くお勧めしたい一本。