(1)特徴
エドラダワーと言えば、ハイランドを代表する蒸留所でありながら、その小規模体制(メインで製造に関わる人は3人とか)でも有名。下の写真(ミニボトル)にも”THE THREE MEN OF EDRADOUR”と書かれており、3人のイラストもあります。現在はボトラーズ(各蒸溜所からウイスキーを樽ごと買い取って販売する会社のこと。蒸留所が出すオリジナルと違い、変わった樽で熟成させたり、カスクストレングスで販売したり、独自の風味を目指すことが多い)として有名なシグナトリー社が保有しています。
今回テイスティングする10年は、エドラダワー蒸留所の代表的な製品。独特なパフューミーでミルキーな甘さは他の製品ではなかなか味わえず、ファンの多い製品です。
(2)テイスティング
【スペック】
・エドラダワー10年/Edradour 10 year
・エドラダワー蒸留所
・40%
・700mL、5000円前後
【香り】
クリーミーでオイリー、蜂蜜、干しブドウ、バニラ、若干の硫黄感。少し石鹸や化粧品っぽい人工的な甘い香りも。大きく吸い込むと青りんご系の爽やかさとヤクルトのような乳酸感。加水すると練乳感と乳酸感と硫黄感が調和して、クリーミーさが素晴らしい。
【味】
オイリーで甘い、バター、オレンジ、牧草、アーモンド。ストレートでもアルコール感は少なく円やかな口当たり。加水すると甘みは上品になるがしっかり。甘みと酸味のバランスは崩れず。
【総評】
シェリー樽熟成とは言えシェリー特有のえぐみは少なく、クリーミーでミルキーな温かみのある風味とよく調和している。独特なややケミカルなミルキーさやクリーミーさは多少好き嫌いがあるかもしれないが、バランスに優れていて初心者、特に甘めのウイスキーが好きな人におすすめ。どっしりシェリー系のえぐみに苦手意識を感じた人は試してほしい。