(1)特徴
・ダフトミル 2008 ウィンターバッチリリース/Daftmill 2008 Winter Batch Release
・ダフトミル蒸溜所
・46.0%
・1stフィルバーボン樽で2008~2020年まで熟成
ダフトミル蒸溜所は、エディンバラ北部の町ファイフに2005年に創業された蒸溜所です。創業者は、ファイフにて大麦生産を行っていたフランシス・カスバートとイアン・カスバート兄弟。農場の農閑期である夏・冬のそれぞれ2か月にのみ蒸溜を行うという、昔ながらのファームディスティラリーです。勿論原料も自社農場で生産した大麦を使用しています。年間生産量は約2万リットルと少量で、年2回のサマーバッチとウインターバッチ、たまにシングルカスクの限定品を販売するのみとなっています。2018年の発売以来、瞬く間に人気蒸溜所となり、現在も発売後即完売を繰り返しています。
今回テイスティングしたのは2020年にリリースされた2008ウィンターバッチで、2008年蒸溜の原酒を2020年まで約12年間バーボン樽で熟成させたものです。ダフトミルらしい素直な麦芽の旨味とバナナのようなクリーミーな甘さが特徴です。シェリー樽熟成原酒も含む2009サマーバッチとはかなり風味が違うが、両方ともダフトミルらしさが全開なので可能であれば飲み比べて頂きたい。
(2)テイスティング
【香り】
バナナ、オーツ麦、バニラ、フローラルさ、ヨーグルトや乳製品、かすかに洋梨、バナナ蒸しパン
【味】
麦芽、ミルクシェーク、スパイス、バナナ、シロップ。余韻は麦芽や蒸しパン
【総評】
これぞバーボン樽熟成のダフトミルという一本。バナナの蒸しパン、オーツ麦、バニラやヨーグルトのような全体的にクリーミーでねっとりとした甘さ。濃厚でありながら透き通ったような素直な旨味と甘み。良い意味で万人受けする素晴らしい風味。
ダフトミルはシングルカスクが相当な高値で取引・転売されているが、個人的には(当たり外れはあるが)オフィシャルリリースの方が手頃でダフトミルらしさが存分に味わえて良いと思う。あとシェリー樽熟成原酒を含む2009サマーバッチとは大きく風味が異なり、それぞれダフトミルらしさが全開なので、可能ならば飲み比べて頂きたい一本。