(1)特徴
-----------------------------------------------------------------------------------------
・グレンファークラス 15年/Glenfarclas 15 year
・グレンファークラス蒸留所
・46%
・700mL、約6000円
-----------------------------------------------------------------------------------------
グレンファークラス15年は、スペイサイドに位置するグレンファークラス蒸留所で作られている商品。創業は1836年で、今でもグラント家による家族経営がされている蒸留所です。グレンファークラスは、ゲール語で『緑の草の生い茂る谷』を意味し、蒸留所近くにはケアンズゴーン国立公園があるなど、自然豊かな場所に位置しています。
家族経営と言っても規模はそこそこ大きく、6つの蒸留ポッドスチルはスペイサイドでは最大規模です(4つを使用、2つは予備、という使い方のようです)。また蒸留時にガス直火での蒸留を行っており、酒質の強い原酒ができることも特徴です。そして何よりも、シェリー熟成のエキスパートとしても知られており、その深みのある色合い、芳醇な風味は多くのファンを抱えています(かつてイギリス首相のサッチャーも、グレンファークラスを愛飲したと言われています)。またその品質の高さや値段の手ごろさ、にもかかわらず知名度が低いことから、「最も過小評価されている蒸留所」という嬉しいような嬉しくないような呼ばれ方もされています。
グレンファークラス15年は、15年以上シェリー樽で熟成させた原酒のみを使用しています。グレンファークラス10年や他銘柄の10~12年と比較すると、より熟成感があり豊潤でスパイシーなシェリー風味が味わえる一本です。
(2)テイスティング
【香り】
甘く濃厚なシェリー、バニラ、キャラメル、麦芽、プラム、オーク、シナモン。微かにスモーキー。
【味】
サッパリとしたラムレーズン風味のアイスクリーム、オレンジ、ラズベリー、ビスケット。ハーブやスパイシーさを伴った余韻。酒質は中程度で、飲みごたえは十分ありバランスが良い。
【総評】
グレンファークラスの中ではお気に入りの一本。熟成感とコスパが抜群にいいと感じる。ややスパイシーなシェリー感は健在ながら、15年熟成らしい円熟味も充分楽しめる。シェリーが好きになった人はぜひ試してほしい一本。
(3)リンク
21年のレビューは下記を参照ください