海外レンタカーの手引き(予約方法、注意点など)

この記事では海外旅行でレンタカーを借りる際の注意点を、自分向け備忘録、マニュアルも兼ねて紹介します。

筆者はヨーロッパを中心に約10か国で計20回ほどレンタカーを借りたことがあります。初めは「日本でもあまり運転していないのに大丈夫だろうか」「トラブルに巻き込まれたらどうしよう」と不安で一杯でしたが、慣れてしまえば旅行の幅が大きく広がり、より一層旅行が楽しめるようになりました。

今回は、自分が普段気を付けていることを体験談も交えて書いていきたいと思います。項目が沢山あって尻込みするかも知れませんが、一つずつ潰していけば大した手間では無いので安心してください。必須項目には★マークを付けています。

(1)準備(予約、保険、国際免許証取得など)

① レンタカー検索サイトで複数社から比較し、予約しよう

まずはレンタルする車を探します。贔屓の会社があれば直接そのレンタカー会社のページに行き予約すれば良いのですが、特にない人は複数社から横断サーチできるサイトで探すのが楽です。筆者のオススメはQEEQです。少しごてごてしたデザインですが、価格が落ちた時に自動的に再予約してくれるサービスや、加入保険の分かりやすさが気に入っています。

https://www.qeeq.com/

この他にも、Booking.comと連携しているRentalcars.com、フライトチケットやホテル予約で有名なExpediaやSkyscannerでも予約可能です(前者はたまに利用。後者は日本にも支店がある大手なので、カスタマーサービスは良いと思われます)。この辺りも良いサイトで、いずれもキャンセルフリーの仮予約がしやすいので、是非比較してみてください。場所によってこれらサイトの方が良い場合もあるので、複数の横断サイト検索もオススメです。

https://www.rentalcars.com/

https://www.expedia.co.jp/Cars

https://www.skyscanner.net/carhire?is_banana_referral=true

検索結果をもとに各レンタカー会社のサイトに直接アクセスして予約する方法もオススメです。特に海外での初レンタカーの人は下記メリットから、各社での直接予約をオススメします(検索サイトでの予約もトラブル時にやや手間が増えるだけで、ほとんどの場合は安価で問題ないです)。有名どころだと下記のレンタカー会社があります。

https://www.europcar.jp/ja/

https://www.budgetjapan.jp/

https://one.avisworld.com/ja_JP/AvisJapan/#

https://www.hertz-japan.com/rentacar/reservation/

https://www.dollarcars4rent.com/

https://www.enterprise.com/en/car-rental.html

 

■各レンタカー会社サイトで直接予約するメリット

・保険やオプションの二重加入が避けやすい

・予約した車が手配できなかった場合に代車の手配をしてくれる(検索サイトでは基本的には予約キャンセルだけしてその後の対応は各自に丸投げされがち←私も一度これを体験したことがあります)

・その他トラブル時の対応が1か所で完結するので便利

■横断検索サイトで予約するメリット

・各レンタカー会社で直接予約するより値段が安いことが多い

・保険料が安価

・キャンセルフリーのプランが多く、予定が決まっていない段階での仮押さえに便利

② レンタカー会社のGoogle評価を確認しよう

念のためGoogle評価を確認すると地雷を避ける手助けになります。個人的には3.0以上ならOKとしています。やや低いハードルですが、レンタカー会社にレビューするのは「トラブルがあった時」が圧倒的に多いため、レストランとかと比べると★0.5~1つくらい低くなる傾向があります。★2.5~2.9はレビューの内容次第でOK(空港から遠い、スタッフの愛想が悪い、列が長く長時間待たされた、とかは対処可能)、★2点前半だと安くても避けた方が良いと思います。たまに明らかにサクラ評価している会社がありますが、そういう会社も信用できないので除外しましょう(不自然な数の『5つ★&コメント無し』があったら注意)。

検索虫眼鏡のイラスト「Search」

★③ 保険加入しよう

「海外レンタカーでぼったくられた」と言っている体験談を読むと、理由の多くは「修理費で多額の請求が来た」が多い気がします。大したことのない傷での不当請求には⑪⑯(車体の撮影)で対応するとして、こちらに責のある修理費に対しては「適切な保険」に加入さえすれば対応可能です。保険は確かに割高ですが、海外でのトラブルを避けるためには必ず加入するようにしましょう。

加入必須の保険は対人保険と対物保険の2つです。アメリカとヨーロッパで呼び方や補償範囲が違うので注意してください。

色々書いていますが、迷ったらFull Protectionに入りましょう

■対人保険

国によって呼び方が違いますが、ヨーロッパならThird Party Insurance(TPI)アメリカならSupplemental Liability Insurance(SLI)Liability Insurance Supplement(LIS)と呼ばれています。

ヨーロッパでは、普通はTPI強制加入(日本と一緒)なのですが、たまに含まれていない会社(※2)もあるので注意しましょう。というよりも強制加入になっていない会社では基本的にレンタルしない方が良いです(安くするためにケチって良い保険では無いです)。加入すれば実質的に無制限に近い保証が受けられます。

アメリカでは、一部の州を除きTPIのような対人保険は強制加入では無いのでSLI/LISなどへの加入が必須になります(一部の州ではLiability Protection/LPへの加入が義務付けられていますが、上限額が小さいのでどのみちSLIなどへ加入しましょう)。

 

※1 与太話ですが、北米(アメリカ、カナダ、メキシコ等)は自動車保険以外に海外旅行保険にも入らないと、病気や手術になった時にとんでもない請求が来るので注意してください。

※2 必ずしも悪質な会社という訳ではなく、既に包括的な保険に加入済みの現地人向けに安いプランが用意されている場合もあります。ただ分かりにくいので、慣れないうちは避けた方が安全です。

子供の飛び出し事故のイラスト

■対物保証

ヨーロッパでは、Collision Damage Waiver/CDWと呼ばれており、多くの場合予約プランに含まれています。ただし盗難や窓ガラス破損、パンクに対応していないことが多いので、これに対応するためにはFull ProtectionやThief Protection(これも予約に含まれることが多い)に加入すれば良いです。

アメリカでは、Loss Damage Waiver/LDWと呼ばれています。これも盗難や窓ガラス破損、パンクなどに対応していないことが多いので、Full Protectionに入るとすべてカバーしてくれます。

交通事故のイラスト「玉突き事故」

■免責について

各保険には補償範囲と免責範囲が記載されています。例えば「窓ガラス破損は補償しない」「手出しが最大○ドルある(”Excess”という表現が使われます)」とかいう記載です。これを避けるためにはFull Protectionに入ることで解決できます。手出しになっても生活に影響しない人はFull Protectionにまで入る必要は無いかも知れません。

また中間案として、外部保険を使ってExcess Insurance/EIに加入するのも手です。EIは免責額=車に損害があった時に最低限払わなければならない額を保証してくれる保険ですが、加えてThief Protectionや窓ガラス破損等もカバーしてくれることが多いので活用をオススメします。

ちなみに私はFull ProtectionではなくEIを活用しています。コストが主な理由で、会社や国、車種によりますが、Full Protectionは1日2000~4000円くらいするのに対して、EIは1日300~1000円でほぼ収まります。また補償範囲はFull Protectionの方がやや広いのですが、ほとんど起こらない事(故障によるロードサービス、同乗者のケガ(かつ同乗者が海外旅行保険に入っていない)等)のために1日数千円多く払うを嫌っているのも理由です。

まとめると以下のA~Dの選択肢があり、オススメはAかBです。

(A) Full Protection

➡ほぼすべて保証、自己負担なし。コストより安心重視の人向け。

(B) 対人+対物+外部Excess Insurance

➡ほぼすべて保証(ややAより狭い)、自己負担なし。ただしレンタカー会社≠保険会社なので手続きがやや面倒。コストを抑えたうえで安心も確保したい人向け。

(C) 対人(TPI, SLI, LIS)+対物(CDW, LDW)

➡一部自己負担あること、窓ガラス・タイヤ破損は補償されない=全額負担になる場合が多いので注意。事故っても破産はしませんが、数万~十数万の手出しは覚悟しましょう。海外でのトラブル対応に慣れた人以外にはお勧めできません。

(D) 保険無し(一部強制保険のみ)

➡海外ではリスクが高すぎるのでやめましょう。対人事故でも対物事故でも破産リスクがあります。1億位無くなっても平気な富豪以外には勧めません。

 

■参考サイト

3つ目は外部加入のレンタカー保険で、保険料を安価に済ませたい人にオススメです。

ちなみにこれ以外にも搭乗者傷害保険(こちらの運転手や同乗者向けのの傷害保険)や携行品保険(車にあった物品の保険)、ロードサービス保険などがありますが、これは必須では無いです。理由は①クレジットカードに付与されている海外旅行保険などでもカバーできる、②ほぼ発生せず仮に何かあっても自前で払える金額に収まることが多い、からです。ただ友達と旅行に行くとかいう状況なら、後々の揉め事にならないように搭乗者傷害保険に入っても良いかも知れませんので、事前相談してみたら良いと思います。

少なくともスポットでの海外旅行保険加入はレンタカー以前に必要な保険なので、必ず検討ください。

★④ 国際免許証を取得しよう

海外で運転するために国際免許証を取得しましょう。国際免許証というと難しい試験が必要なように聞こえますが、実際にはただの「日本の免許証の翻訳版」位のものです。免許センターや一部警察署で発行できるので、所在都道府県の免許センターのサイトにアクセスして取得方法を確認ください。大体が写真と日本免許証を持っていけば即日発行です。

ちなみにレンタル当日は必ず日本の免許証も持っていきましょう。貸す側からすると「翻訳版」だけでなく「原本=日本の免許証」のコピーも必要になるからです。常に2つセットで持参しましょう。

海外ドライブに必要な国際運転免許証とは? | JAF クルマ何でも質問箱

★⑤ その他必要なもの(クレジットカード、車用アクセサリー)を準備しよう

クレジットカード(必須)

料金前払い済であっても、ほとんどのケースで予約時に10万円前後のデポジット(何かあった時の供託金で何もなければ返金)が請求されます。別にぼったくってる訳ではないので支払いましょう(不安なら「何もなければRefundされるんだよね?」と聞けばいいです)。会社によってはデビットカードは受付不可(※3)な場合もあるので、必ずクレジットカードを持参しましょう。海外ではカード設定によっては支払できない事もあるので、できればVISAとMaster Cardのどちらかを含む、2枚以上のクレジットカードを持参する方が安全です。ちなみに万が一クレジットカードが使用できない場合はレンタカー会社提携の保険加入が必須になる可能性があります。

※3 たまにレビューで「保険に入らないと貸せないと言われてぼったくられた」的なコメントがありますが、これはこのパターンが多い気がします。凄く悪どい会社はクレジットカードが使用できないとをついて保険に入らせようとする可能性もあるので、その場合は入力画面を見せてもらったり他のカードを渡したりして確認しましょう。

クレジットカードのイラスト

 

予約表

念のため予約表を印刷して当日持参すると良いです。

 

スマホホルダー

海外運転中のナビは断然スマホGoogle Mapとか)をオススメします。正直ナビが付いている車でもスマホで調べることが多いです。理由はやはり使い勝手の良さと情報の最新さが段違いだからです。手に持って運転する訳にはいかないので、スマホを固定するためのホルダーが必要です。もちろん車載ナビ派の人は不要です。

 

充電コード・モバイルバッテリー

これは旅行中はモバイルバッテリーと一緒に持ち歩いていると思いますが、念のため。1m以上の長さの方が使い勝手が良いです。ちなみに車用の充電ソケットが必要か迷うかも知れませんが、私は使ったことがありません。大体の車にUSBポートがあるし、無ければモバイルバッテリーで対応すれば何とかなるし、と言った感じです。

モバイルバッテリーのイラスト

(2)レンタカー当日の注意点(予約確認、オプション申込、乗車前確認など)

★⑥ 予約内容と相違ないか確認しよう

予約時に予約表記載の内容と齟齬が無いか確認しましょう。ざっくり言うと、総料金や車の種類(サイズ、AT or MTギア)、返却日、余計な保険やオプションが付いていないか確認しましょう。

ちなみに「予約していた車が無くなってしまったから別の車を準備した」「こっちの車の方が良いと思うよ」とか言われたら、追加料金がかかるか確認しましょう。そもそも予約内容を準備できていないのは先方(もしくは予約サイト)の落ち度で、こちらに非はありません。「こっちは悪くないから、同じ値段で別の車を貸してくれ」と突っぱねましょう。ここで「この車しかないし、追加料金を払わないと何も貸せない」とか言ってくる業者なら、多少高くなっても別の会社のカウンターに行って当日予約で借りた方がマシです。後者は新規客が来たと喜んで対応してくれますが、前者はこっちをカモとしか思っていないですから・・・。空港とかだと近くに別の会社のカウンターもあるので聞いてみましょう。

ちなみに私は過去に2度、予約と違ったことがあります。

 

(1) ATを予約したのに鍵を貰って乗り込んだらMTだった・・・

指摘してATに交換。30分くらい余分に時間がかかりました。仮に「間違えてMTしか準備していなかったからATはない」とか言われたらATとMTの差額(MTの方が安い)を払うようにリクエストしましょう。私はMTと気づいた時に「別にMTでも運転できるから良いけど、それなら差額払ってね」とは言ったらATに交換してくれました。向こうは素で間違えていたリアクションでした。MT主流のヨーロッパだったので勘違いしたんだと思います。

 

(2) MTじゃなくてATにしないかと勧められた・・・

これはMTを予約した際の出来事で、担当者に「サイズも大きいし、このAT車にしない?」と勧められたケースです。この時は「追加料金無しだったら良いよ」と交渉したらタダでATになりました。ヨーロッパだとMTが主流でATは数が少なくレンタル料金も高いので、(店員曰く)時期によって全然ATの予約が入らずレンタカー会社も困っていることもあるとのことでした。その為AT車に予約が入らず放置されるくらいなら、追加料金無しでも(メンテナンスも兼ねて)誰かに乗ってもらってMT車の予約枠を空けた方が良い場合があるようです。これはかなりラッキーな例ですが、一番始めは追加料金無しとは言っていなかったので、交渉していなかったら追加料金が発生したものと思われますので注意ください。親切には裏があると思いましょう

歯車・ギアのイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

⑦ 不要な保険、オプションは断ろう

「海外レンタカーでぼったくられた」体験談で「不要なオプションを付けられて高額になった」という事例も多くあります。

勿論ぼったくってくる悪い会社もあるのですが、(レンタカー会社を擁護する表現になりますが)それ以外に彼らが保険・オプション加入を勧めるのには理由があります。それは「以前に保険・オプションに入らずに損した顧客から訴えられたことがある」からです。

要は事故った後に「保険加入を勧められていたら入ったのに、業者が保険紹介の義務を怠った」とクレームされた例があるようなんです。その為、彼らは必ず保険やオプションの加入有無を聞いてきます(店でポイントカード持ってるか聞かれるのと似ています)。なので色々勧められても必ずしもぼったくり業者という訳ではないので、気にせず要らないものは要らないと伝えれば、お互いハッピーになれます。③も確認して不要な保険・オプションははっきりと断りましょう。

私はこれまで何十回とレンタルしてきて、運が良かったのかも知れませんが一度もしつこく勧誘されたことは無く、No thank youと言えばすぐ終わりました(親切心で「本当に大丈夫か?」と聞かれる事位はあるかも知れませんが、たいてい悪意は無いので大丈夫です)。

保険証のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

★⑧ ガソリンの種類を確認しよう

借りる車のガソリンの種類を確認しましょう。

通常はRegular/Unleaded Petrolですが、一部でDiezel、高級車ならPremium(ハイオク)を使用する車もあるので、必ず確認しましょう。

また電気自動車はどこでチャージできるか必ず事前に確認しておきましょう。特に宿泊場所で充電できない場合、かなり行動が制限されてきます(私は過去に電気自動車レンタルを検討したことがありますが、手間が増えることや充電スタンドが埋まっていた時のリスクを考え断念しました。正直に言うと、エコに旅行したいならハイブリット車で十分ですし、もっと言うならバスとか電車を使った方がエコなので、レンタカーを借りている時点でエコじゃないです。そもそも旅行自体、徒歩とか自転車旅行じゃない限りエコじゃないですしね・・・)。

ガソリンの給油ノズル

⑨ 高速道路の料金支払い方法を確認しよう

高速料金支払いについて、たまに事前にナンバー登録すれば安くなる場合があります。もし高速道路を利用するときは、レンタカー会社窓口で確認してみても良いと思います。

高速道路のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

★⑩ 返却条件(返却場所、方法、ガソリン条件)を確認しよう

返却場所や時間、方法は確実に聞きましょう。主なポイントは3つです。1つ目と2つ目は普通は借りた場所に戻ってくれば良いので問題ないですが、3つ目は確実に確認しましょう。

・車の駐車場所はどこか

・時間外返却になる場合、鍵をどうすればいいのか(返却ボックスに入れる、車の中に放置する、など)

・ガソリンは満タンにして返すのか(Full to Full)、利用開始時の量があれば良いのか(Level to Level)か

駐車場のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

★⑪ 車体の状態を動画や写真で記録しよう

これは絶対必須です。③と並んで毎回注意しています。もちろんレンタカー会社担当者も事前に確認し、貸出時に傷の状態などを説明・記録していますが、それを100%信用してはいけません。

私の場合、運転前に必ず、動画(撮影角度を変えて車の周りを2周、車体上部、出来る範囲で車体下部も含む)+写真(ぶつけそうな場所は複数枚)で車体状態、メーターなどを記録しています。

ちなみに、過去の返却時に「ここに小さいけど傷・凹みがあるよ」と指摘されて焦ったものの、動画を見直すと(かなり小さかったのですが光の当たり方で)レンタル時に既に傷・凹みがあったことが分かり助かったことがありました。担当者からは「借りる時に指摘してくれよ」みたいに言われましたが、そもそも担当者も見落としていたので謝る理由も無いです(「そっちが何も言わなかったから無視できる傷かと思った」とか言い返した記憶があります)。これは夜に借りたので急ぎで撮影して出発したのですが、それでも最低限チェックして良かったと思った例です。

担当者が指摘しなかった傷を見つけて、レンタル時に報告して貸出書類に追加してもらったことも何度もあります。当たり前ですが、事後より事前報告の方が対処は確実です。そういった際に「これ位の傷は問題ないよ」と言ってくれることも多く、そういう業者は細かい傷でぼったっくって来ないので安心してレンタルできます。

あと見落としがちなのがメーターなどの車内写真です。契約書には「Full to Full」と書かれていたのにガソリンが半分くらいしか入っていない、エラー表示が始めから出ていた(こっちが何かした訳ではない)、目立つ汚れがあった、などを事後証明するために写真や動画が大きな武器になります。

そして何より、この行為の副次的な利点として、担当者に「こいつは細かい性格だから変な請求をしたら面倒臭そうだな」と印象付けることが出来る点があります(※4)。

※4 実際にあなたがそこの会社の社員になったつもりで考えてみてください。いっぱいいる客から利益を取るとしたら、面倒臭そうなやつはスルーして、気が弱そうだったり大雑把そうな人をターゲットにしたくないですか?撮影確認することで、”舐められる”ことでの不要なトラブルを防ぐことが出来ます。別に睨む必要も、喧嘩を売る必要も無いです。ただニコニコしながら撮影するだけです。

スマホで撮影する人のイラスト(男性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

⑫ 担当者の名前を確認しよう

何かあった時に、誰が説明したのか知っていればやり取りが楽になる可能性があります。聞かなくても書面や勤務履歴から分かることも多いので、必須では無いです。

ネームタグを付けた犬のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

(3)レンタル中の注意点(ガソリン、高速道路、駐車場、交通違反など)

⑬ 給油しよう

ガソリンスタンドでは、給油ノズルが色分けされていたり(Regularは緑色、ハイオクは赤が多いが国によって違う)して、どれを給油すべきか分かりやすくなっています。またオクタン価※が書かれていることも多く、一般的にはレギュラーは87~95、ハイオクは93~100の記載があります。

※オクタン価は国によってレギュラーが87(アメリカ)だったり95(イギリス)だったり、ハイオクも93(アメリカ)だったり98(イギリス)だったりして混乱しますが、これはオクタン価の計測方法の違いによるもので、迷ったらスタンドの人に聞きましょう。不安な場合は有人のスタンドに行きましょう。

ガソリンスタンドのイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

⑭ 駐車しよう

路上で駐車する場合は、近くの精算機でパーキングチケットを買うことが一般的です。ただし場所によっては、そもそも登録者以外進入禁止だったり(イタリアやロンドンなど)するので、レンタカー会社の担当者に確認するか、もしくは「国名+路上駐車」などで検索して調べてみましょう。それでも分からなければ、有人駐車場やコインパーキングを探して駐車すると安心です。

駐車場のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

交通違反時には支払方法を確認しよう

交通違反時は出来るだけ早く支払方法を確認しましょう。確認先は警察かレンタカー会社に聞く方が確実です。通常はレンタカー返却時に精算することが多いです。

ちなみに私はスコットランドで駐車違反が1回(有料駐車場と気付かずパーキングチケットを切らずに駐車)、ヨルダンでスピード超過(20キロ超過)で1回切符を切られたことがあります。

スコットランドでは、支払方法が書いた紙が挟まっており(オンラインも事務所で払うように記載)、近くの管理事務所が無人だったので現金と違反証を事務所ポストに突っ込んで、念のため証拠写真を撮って帰りました(今考えると雑な対応だった気がします笑)

ヨルダンでは、捕まった時に警察に支払方法を聞いて(レンタカーを返却する時に精算できるはずだよと言われた)、念のためホテルの人(良くあることだよと慰めてくれた)やレンタカー会社にも確認し、レンタカー返却時に支払いました。止められた時は「賄賂を渡せば良いんだったっけ・・・汗」とか焦りましたが、違反金3000円程度だったので結果的にはダメージは少なかったです。

もちろん国によってはスピード違反・駐車違反で何万円も取られるので注意しましょう。ちなみに警察は(汚職がはびこっている一部途上国以外は)大体観光客に親切です。

パトカーに乗る警察官のイラスト

(4)レンタカー返却時の注意点(車体確認、返却記録受取など)

★⑯ 車体状態を動画や写真で記録しよう

⑪で書いた通りです。返却時の撮影も非常に大切です。その場で担当者が問題がない事を確認し、confirmationを発行してくれれば不要ですが、私は常に撮影しています(「何も問題ないから撮影しなくて大丈夫よ」と言われたこともありますが、その時も「It's my routine」とか適当に言って気にせず撮影しました。何かあっても助けてくれない他人を安易に信じないように)。

カメラで撮影をしている人のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

★⑰ 返却記録レシート・メールを受け取ろう

変な追加料金が発生していないか確定するため、返却のconfirmationを貰いましょう。最近はメールで送付してくれることが多いですが、念のため店員に確認しましょう。

ちなみに⑪でも書きましたが、こういう確認をしっかりすると、店員に「こいつからぼったくるのは面倒臭そうだな」と思わせることが出来ます。別に日本ならそこまでしなくても良いのですが、海外だとそういう積み重ね(実際にそれくらい細かく見る姿勢)が大切になってきますし、アピールするのはタダなので強くオススメします。

レシートのイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

⑱ 担当者の名前を確認しよう

⑫と同じく、何かあった時のやり取りが楽になる可能性があります。借りる時より返す時の方が、身に覚えのない傷などでのぼったくり請求を避ける目的では有効です。

ネームタグを付けた猫のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

(5)返却後のトラブル対処(過大請求など)

★⑲ クレジットカードの請求額を確認しよう

レンタル時に支払ったデポジット(供託金)がキャンセル・返金されているかどうか、不透明な費用が上乗せされていないかを必ず確認しましょう。悪質な会社はこの段階で、シレっとオプション料金やら使途不明の追加費用を上乗せして請求してきます。大体レンタルしてから2週間以内にはすべて固まるので、明細は必ず確認するようにしましょう。

明細書のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

⑳ トラブル発生時は、レンタカー予約会社、クレジットカード会社などに連絡しよう

これまでの対策をしても、トラブルに巻き込まれる時はどうしても巻き込まれます。この場合は、以下のところに連絡するようにしましょう。

■まず連絡すべき場所

レンタカー会社:詳細の問い合わせ

予約サイト(QEEQなどで予約した場合):詳細の問い合わせ

クレジットカード会社:不明な引き落としなどがあれば支払いを止めてもらい、原因調査をリクエストしましょう

■上記で解決しない場合

大使館:かなりの強硬手段です。大使館に被害にあった旨を連絡しましょう。レンタカー会社にも大使館に連絡する旨を伝えれば、一種の脅しになって良いと思います。

現地消費者センター:難易度が高い大技です。無料で対応してくれることが多いのでありがたいのですが、それなりの根気が必要です。ちなみにレンタカーではなく飛行機関係でのトラブルでTAPポルトガル航空にクレームを入れた際には、消費者センターを巻き込んでも2年以上かかりました(TAPの反応がとんでもなく遅かった。二度とTAPは利用しないと心に誓いました)

越境消費者センター:現地消費者センターよりもハードルが低いです。連携していない国だと余り有効にならないかも知れませんが、色々とアドバイスなども貰えるようなので英語が苦手な人はこちらの方が良いかも知れません。

www.ccj.kokusen.go.jp

※ちなみに警察は海外なので管轄外、弁護士なども国を跨いだ問題となると費用が掛かるので実際問題使いにくいです

(6)最後に

全体を通じて言えることは、レンタカーを楽しむために重要なのは以下の3点です。何だかんだで3つ目が一番大切です。

・適切な保険に加入する

・記録を出来る限り残す

・分からなければ周りの人にさっさと聞く

海外での運転は色々と面倒臭い反面、行動の自由度が格段にアップし、病みつきになるほどの魅力があります。一歩目は怖いかも知れませんが、ぜひチャレンジしてみてください。

もし需要があれば予約サイトでの実際の予約方法についても記事を書きたいと思います。たぶん需要ないので書きませんが。。。興味ある方はコメント欄に日付と場所をコメントください。