エンゲルスツェル フェストビア/Engelszell Festbier

(1)特徴

エンゲルスツェル フェストビア/Engelszell Festbier

・スティフト・エンゲルスツェル修道院オーストリア

・6.0%

・ベルジャンブロンド、へーフェヴァイツェン

エンゲルスツェルは、オーストリアのスティフト・エンゲルスツェル修道院で生産されているトラピストビール修道院の設立自体は1293年と古いですが、ビール生産を開始したのは2012年と最近のことです。過去には1590年頃にビール醸造をしていた記録があるようですが、一度修道院が破壊されて(1925年にグレゴリウスという修道僧により再建)いることもあり途絶えていたようです。他のトラピストビールと比べると生産量はかなり少なく、入手がやや面倒な銘柄でもあります。

今回テイスティングしたのは、2022年に醸造所創設10周年を記念し、バイエルンオクトーバーフェストに向けて製造されたフェストビア、ヘーフェヴァイツェンです。オクトーバーフェストのビールと言えば下面発酵のラガーですが、こちらは上面発酵のエールで、よりイースト感やフルーティさが前面に出た風味となっています。前年のクリスマス前に比重13.5°Pで醸造され、0°Cで2か月貯蔵されたのち瓶詰されたものです。トラピストビールとしては唯一のフェストビールです。

(2)テイスティング

【香り】

リンゴ飴、キャラメル、リンゴや洋梨のポーチ、麦汁、ブラウンシュガー、穏やかオーク

 

【味】

ミドルなロースト麦芽やオーク、リンゴの皮目、オレンジや麦汁のほのかな甘さ、オレンジピールレモングラスや微かなクローブのハーブ感。落ち着いたビターな余韻

 

【総評】

穏やかなビターさのある麦芽とオークが中心で、実直で落ち着いた風味。香りにはキャラメライズされたような甘さを感じるが、飲むとリンゴの皮目程度のほのかな甘さ。派手過ぎず、かつエールらしさをしっかり残したフェストビール。