(1)特徴
・スペンサー モンクズ リザーブエール/Spencer Monks' Reserve Ale
・10.2%
・トラピストエール、クアドルペル
スペンサーは、1950年設立のセント・ジョセフ修道院(アメリカ、マサチューセッツ州)のスペンサー醸造所で生産されていたトラピストエール。同修道院では創業直後からジャムやミントジェリーなどのトラピスト製品を生産して、売上金を修道院の必要費用や貧困者支援などに充てていましたが、更なる拡充を目指して2013年からトラピストビールの生産を始めました。アメリカでは初のトラピストビールでAuthentic Trappist Product(ATP)ラベルも取得、他のトラピストビールにはないインペリアルスタウトやIPA、フルーツビアなど幅広い銘柄をリリースして人気を博してきました。しかしコロナの影響に加えて、近隣でクラフトビール醸造所が激増したこともあり、事業継続することが困難になったとのことで、2022年5月に残念ながら閉鎖されました。現在は閉鎖前に生産された商品が一部リリースされるのみとなっています。
今回テイスティングしたのは、原料を豊富に使い高いアルコール度数に仕上げたクアドルペルです。
(2)テイスティング
【香り】
ダークフルーツ、ダークチョコレート、ぶどう、プラムやオレンジ、ロースト麦芽。同醸造所のImperial Stoutよりロースト感はビターさ控えめでフルーツ感増し
【味】
ロースト麦芽、チョコレート、オーク、ぶどうやいちじく、キャラメル、ローストオレンジ。余韻はオークやハーブを燻したようなスモーク
【総評】★★
クアドルペルらしい濃厚な麦芽やチョコレート、ダークフルーツ的なまったりしたフルーティさ加えて、奥にある若干の酸味も良い感じ。バランスの取れたクアドルペル。強烈な個性はないが、非常に高レベルのラインナップが多い気がする。つくづく閉鎖されたことが残念。