（１）特徴
・6.2％
オルヴァルは、ベルギー南部にあるオルヴァル修道院で醸造されているトラピストビール。かつて当地を訪れたトスカーニ伯爵夫人が形見の結婚指輪を泉に落とした時に、1匹の鱒（マス）が指輪を加えて水面に表れたことから「ここは黄金の谷（Val d'Or）だ」と呼んだことが由来となって地域一帯がOrval（オルヴァル）という名前に、また同じくトスカーニ伯爵夫人に資金提供されて1124年に修道院が設立しました。こういった経緯から、ビールのラベルにもこの伝説にちなんだ指輪を加えた鱒が描かれています。
ビール醸造自体は1931年から行われており、現在も高い人気を誇っています。ドライホッピング（熟成中にホップを直接投入することでよりビビッドなホップの香りをつける）と呼ばれる手法を用いていることで、はっきりとしたホップ由来の風味が出ていることが特徴です。また熟成過程で大きく風味が変化することでも知られているとのことです。
（２）テイスティング
【香り】
キャラメル、アップルパイ、軽く火を通した赤いフルーツが乗ったタルト、穀物ビスケット
【味】
ドライな口あたり。香ばしい穀物、柑橘ピール、リンゴの皮目、ハーブ、乾いた草ぽいビターなホップはトラピストとしては強め。素直な麦芽とビターなハーブがどっしり、香ばしく味わえるビールらしい風味
【総評】
ドライで香ばしいミディアムボティの麦芽に、草っぽいホップの風味がガツンと来る分厚い風味。フルーティさは柑橘やリンゴの皮目のようなビターさと酸味のあるフルーツ。甘さもかなり控え目で、あくまで豊かな麦とホップの風味を楽しむビール。
熟成感は十分あるがまだ少しフレッシュな印象もあり、熟成で大きく変化するとも聞くのでもう少し長く熟成させたものを飲んでみたいという楽しみも。という事でただいま別ボトルを熟成中。
