キルケラン 15年 オロロソシェリー/Kilkerran 15yo Oloroso Sherry Wood

(1)特徴

Kilkerran 15-year-old

・キルケラン 15年 オロロソシェリー/Kilkerran 15yo Oloroso Sherry Wood

・グレンガイル蒸溜所

・①51.5%、②52.0%、③52.6%

・オロロソシェリー樽

グレンガイル蒸溜所のブランド、キルケランの15年熟成物です。グレンガイル蒸溜所が創業15周年を記念して2019年にリリースしたもので、オロロソシェリー樽で15年熟成させた原酒をシングルカスクカスクストレングスでボトリングして、アメリカ、日本、フランス向けにボトリングしてリリースしたものです。

今回は2021年に行われたオンラインテイスティング(下記YouTube)で販売されたサンプルをテイスティングしました。

(2)テイスティング

①Bottled for USA / 51.5%

【香り】

ぶどう、ベリー系のジャム、ブラウンシュガー、奥の方にカスタード、少しスミレのフローラルさ

 

【味】

やや渋みとスパイシーさの強い口あたり。オーク、唐辛子やペッパー、皮の付いたブドウ、クローブ、少しフローラルさも。樽感がどっしり感じられる余韻

 

【総評】

樽感がしっかり出てスパイシーさ強めの風味。こってりはしておらず、少し無骨な印象もある甘さ。シングルカスクっぽい癖が出ているので少し飲みにくいが、素朴なキルケランらしさはしっかり感じられる。

②Bottled for Japan / 52.0%

【香り】

キャラメル、ぶどう、少しスミレっぽいフローラルさ

 

【味】

まろやかな口あたり。オーク、ブドウと皮目のタンニン、少しフローラルさも。余韻に麦芽の香ばしさが重なってきて、太くどっしり続く

 

【総評】

手本のような素朴なオロロソシェリー樽熟成原酒の風味。過去に出た、同じくオロロソシェリー樽熟成の8年カスクストレングスであった濃厚な風味とは違い、麦芽とバランスが取れた素朴で上品な甘さ(別に8年CSが下品だった訳では無く)。8年とは明らかに違う傾向の樽がピックアップされていることが分かり、短熟とは違う魅力や可能性が感じられる。

③Bottled for France / 52.6%

【香り】

ねっとりしたぶどうのシロップ漬け、パイ生地、少しカスタード、蜂蜜とバターをかけたパンケーキ、フローラルさはあるが①②よりは控え目

 

【味】

ねっとりした甘さとスパイシーのバランスの取れた口あたり。タンニンのきいたブドウ、ブドウシロップ、焼き立てのパイ、ロースト麦芽、燻したハーブやオークのビターな余韻

 

【総評】

オロロソシェリー樽らしいねっとりした甘さと樽感、素朴なロースト麦芽、パンやパイのようなねっとりした穀物感のバランスが良い。全体の飲み心地でいえば3本の中で一番良いと思う。