(1)特徴
・ボウモア 30年 (ザ・キンシップ)/Bowmore 30yo (The Kinship)
・58.0%
・リフィルオロロソシェリー樽
ボウモア蒸溜所の原酒を、インディペンデントボトラーのハンターレイン社がボトリングしたもの。同社がアイラ島にアードナッホー蒸溜所を建設したことを記念して販売した、プレミアム帯のシリーズです。年次で同社の保有する樽から、ジム・マッキュワン氏が選定してリリースしており、主にアイラモルト+ハイランドパークの19~40年熟成物がラインナップに並んでいます。
今回テイスティングしたのは、2020年にリリースされたもので、ボウモア原酒をリフィルオロロソシェリー樽で30年間熟成したものです。風味から、サントリーが買収した直後の原酒を使用していると思われます。
(2)テイスティング
【香り】
湿ったオークスモーク、ローストパイナップルや桃、穀物、粉バニラ、粉砂糖
【味】
潮気を含んだレザーやタバコのスモーキーさ、オイル、肉肉しいベーコン、麦芽、オレンジやレモンシロップ。余韻にはオークとピートと塩気をどっしり感じる
【総評】
ボウモアとしてはかなり骨太で肉肉しい風味。パンチがあって、フルーティさに麦芽やピートが負けていない。さすが30年熟成で度数58%を保っているだけはある。フルーティで円熟味のある長熟ボウモアをイメージすると肩透かしを食うかもしれないが、長熟アイラとしては納得できる出来。このシリーズ全般に感じるが、ベストタイミングの樽というよりベストポテンシャルの樽を選んだような印象。