(1)特徴
・マッカラン クラシックカット 2021/The Macallan Classic Cut 2021 Edition
・マッカラン蒸溜所
・51.0%
・バーボン樽、シェリー樽
マッカラン蒸溜所が2017年からリリースしていて、毎年異なるブレンダーがプロデュースしている限定ウイスキーの第5弾、クラシックカットの2021年版のレビューです。
クラシックカットでは、2017~2019年の過去3年はスペイン・へレス産のオロロソシェリ―樽の原酒が100%使用されていましたが、2020年版ではシェリー樽に加えてバーボン樽熟成の原酒も使用されており、大きなリニューアルがされたという印象です。2021年も引き続きバーボン樽・シェリー樽のコンビネーションを踏襲していて、マッカラン蒸溜所がシェリー樽メインから方針転換を図っていることが伺えます。
風味の特徴としてはこれまでのリリースと同じく、カスクストレングス、ノンチルフィルターという特徴を生かした、マッカラン原酒の持つ力強い風味が味わえる点が挙げられます。
過去のレビューについては下記を参照ください。
(2)テイスティング
【香り】
オーク、レーズン、白い花のフローラルさ、バニラ、シェリー、オレンジ、麦芽、みりん、ヨーグルトの上澄み
【味】
滑らかでややオイリー。蜜、バニラ、オレンジピール、バター、麦芽、かすかな塩気、燻したハーブ、ほのかに甘いスモーキーさ
【総評】
マッカランにしては珍しく、ピート由来なのか樽由来なのかは良くわからないが微かにスモーキーさがある(樽由来だとは思うが)。2020年版と比べると、バーボン樽の割合が少し増えてシェリー樽のシーズニングも大人しめに、麦芽やオークの風味はより明確になった印象。風味の軽快さから熟成年数は比較的若い気もするが、滑らかな口あたりと素直で透明感のある風味で悪くない。このあたりはブレンドの妙なのか。個人的には2020年版の方が好み(2019年以前は方向が違うので比較しにくい)。
そこそこ旨いけど、風味からいうとマッカランである必要がますます無くなっている。個人的にはバーボン樽熟成のマッカランも好きだし、過去の栄光と比べる必要もないとは思うが、ブランド名を取っ払ってみれば、ジャパニーズウイスキーと同じでコスパに疑問符がつく。マッカランほどのブランドに対してコスパコスパと言うと下品な気もするが、昨年リリースされたノンピーテッド余市・ピーテッド宮城峡の値段と質の不釣り合いさから海外で余市・宮城峡の名声が落ちかけているのを見ると、長期的に見たら良くない傾向な気がする。