(1)特徴
・ケンタッキー オウル バッチ10/Kentucky Owl Batch 10
・ケンタッキーオウル社、SPIグループ
・60.1%
ケンタッキーオウルは2014年からリリースされているバーボン。遡ると、1879年にチャールズ・モーティマー・デッドマン氏が設立したC.M.デッドマン蒸溜所が基になっています。しかし蒸溜所は工場火災や禁酒法の影響を受けて閉鎖します。その後2008年にチャールズの玄孫ディクソン・デッドマン氏とワイン醸造家マーク・カーター、シェリー・カーター氏によって復活しました。2017年からはSPIグループ傘下となっており、ケンタッキー州バーズタウンに自前の蒸溜所も建設されています。
今回テイスティングしたのは、その新蒸溜所の原酒では無く、様々な他蒸溜所から集めた原酒をディクソン・デッドマン氏がブレンドしたものです。2014年からリリースされており、2021年時点でバッチ10までリリースされています。
(2)テイスティング
【香り】
甘く濃厚なバニラとキャラメル、煮つめた桃とリンゴ、オレンジマーマレード、ナッツ、シナモン、奥に微かに溶剤っぽさとフローラルさ。加水するとミントのような清涼感が立ち上る
【味】
オイリーな口あたり。バター、焦がしたオーク、メープルシロップ、オレンジピール、中盤から余韻にかけてペッパーや唐辛子のスパイシーさが強く出てきて長く続く。焦がしたオークのビターさも余韻でべったり残る。加水するとビターさが減って風味がシャープになって良い感じ。
【総評】
香りは絶品、味は少しビターさがベタッと残るのが気になるがオイリーな甘さとスパイシーな余韻がとてもリッチ。ロックでも水割りでも負けない濃厚な骨太さで、薄めたほうがビターさが落ち着くのでbetter。