(1)特徴
・コーヴァル ミレット/Koval Millet
・コーヴァル蒸溜所
・40.0%
コーヴァル蒸溜所は2008年設立で、1920~33年まで施行されていた禁酒法以降、シカゴで初めて設立された蒸溜所です。Whisky Advocate誌から「世界のクラフト蒸留所トップ10」にも選ばれており、非常に評価の高いクラフト蒸溜所です。特に創業者のロバート・バーネッカー氏は、実技指導などを通じて業界の発展に貢献しており、アメリカのクラフトディスティラリー界では非常に有名な人物です。
今回テイスティングしたのは、同蒸溜所では初となるきび(ミレット)を100%使用したものです。
(2)テイスティング
【香り】
バニラ、クリーム、微かに金木星やクチナシっぽいフローラルさ、穀物、ドライフルーツ。加水するとオレンジやメロンのフルーティさも出てくる
【味】
柑橘、ローストした樽、穀物、除光液、スパイス。ビターなオーク感は強めで、加水するとややオーク感が強くなりすぎる印象
【総評】
フローラルさが感じられる上品なバーボン。癖の少ない穀物感は、背後のフローラルさやフルーティさ、樽感とも良くマッチする。最近のクラフトバーボンのトレンドに沿ったような風味で、バーボンらしい力強さはやや抑えめ。特にミレットを使用したことで穀物感がさらに抑えめで、バーボンの枠に拘らずにモルトウイスキーのように樽熟成による影響を追及しても良いような気もする。