(1)特徴
・ブローラ 1978 32年 ディアジオスペシャルリリース 10th/Brora 1978 32yo Diageo Special 10th Release
・ブローラ蒸溜所
・54.7 %
ブローラは、クライヌリッシュの姉妹蒸溜所として1983年まで稼働していた閉鎖蒸溜所です。比較的強いピート香が特徴で、ppm値はカリラと同じ30-35ppmだったと言われています(70年代の方がピートが強く、80年代はやや控えめ)。またアイランズモルトに近い塩気の強さ、スパイシーさなど、ピート以外でも荒々しい風味が楽しめます(長熟なるとここにフルーティさも加わるものの、あくまで口あたりはドライ)。
今回は1978年蒸溜・2011年ボトリングの第10回ディアジオスペシャルリリースの一本。熟成期間は32年、リフィルのアメリカンオーク樽とヨーロピアンオーク樽で熟成された原酒をバッティングしたものです。
(2)テイスティング
【香り】
リンゴや洋梨、食パンやメロンパン、湿った磯臭いピート、柿、オーク、キノコやチーズ
【味】
甘いフルーツシロップ、塩気、燻した煙、オークと麦芽、紙やハーブを燃やしたスモーク
【総評】
スペイサイドっぽいフルーティさにパンや発酵食品のようなこもった麦芽の風味、そこに紙やハーブを燻した様なスモーキーさが被さる。微かに牡蠣っぽさもある。湿気たような落ち着きのある風味。シンプルに旨い。以前テイスティングした下記ボトル(1977 35年)と比較すると、フルーティさがより強く華やかに出ているが、スモーキーさはやや控えめ。