カリラ 15年 ケイデンヘッド/Caol Ila 15yo Cadenhead

(1)特徴

 

・カリラ 15年 ケイデンヘッド/Caol Ila 15yo Cadenhead

・カリラ蒸溜所

・54.6%

・バーボンホグスヘッド樽

 

カリラ蒸溜所はアイラ島にある蒸溜所、Caol(海峡)+Ila(アイラ島)という名の通り、アイラ島北東部、アイラ島とジュラ島の海峡に面した場所に位置しています。カリラ蒸留所の生産量は年間660万Lとアイラ島最大を誇っていますが、その知名度アードベッグラフロイグラガヴーリンと比較すると低くなっています。その要因として、ブレンデッドウイスキーであるジョニーウォーカーのキーモルトとして使われていたものの、シングルモルトとしての発売が2002年までほとんど無かったことが挙げられます。近年はオフィシャル、ボトラーズ問わず幅広くシングルモルトが発売されていること、アイラ島シングルモルトにしては比較的安価であることから、じわじわと人気が高まっている蒸溜所です。

味の特徴としては、アイラ島の他のウイスキーに比べてピート感が控えめで、柑橘の酸味や蜂蜜の甘みが感じられる、(アイラの中では)比較的癖の少ない風味であることが挙げられます。

今回テイスティングしたのは、2021年5月のオンラインテイスティングイベントのサンプルです。イベントの様子は下記のYouTubeでも閲覧することが可能です。

www.youtube.com

(2)テイスティング

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【香り】

 穏やかなピートスモーク、灰、潮っぽい塩気、杏やローストオレンジ

 

【味】

非常に滑らかでシルキー、アルコールの刺激なし。柔らかいピートスモーク、灰や潮気、缶詰のみかん、バニラ、燻したハーブ、炭焼き。加水でシロップやトロピカルな甘さが増す

 

【総評】

カリラらしい穏やかなピートスモークと熟した柑橘感。奥行きがやや単調ではあるものの、15年でこの熟成感は素晴らしい。アルコール感も全くなく、55%近くあるにもかかわらず40%くらいの刺激しか感じない。ちょうど良いピート香と熟成感のあるカリラ。落ち着きがあって安心できる味。