(1)特徴
・アイリッシュ 15年(ケイデンヘッド)/Irish 15yo (Cadenhead)
・蒸溜所非公開
・48.8%
・2006年蒸溜、2018年からラム樽(exカロニ樽)で追加熟成
2021年5月に開催されたケイデンヘッド社のオンラインテイスティングのサンプルのテイスティングです。アイルランドの蒸溜所で蒸溜された原酒を、おそらくバーボン樽で熟成後、2018年からラムのexカロニ樽で追加熟成したものです。イベントでの話によると、アイルランドで蒸溜された原酒をイギリスにもってくるとアイリッシュウイスキーと名乗れないようで、ケイデンヘッドのWebサイトには”Irish Spirit Drink”と表記されています。蒸溜所も非公開です。
カロニは以前の記事で少し触れましたが、トリニダードトバゴの閉鎖蒸溜所で、現在でもその長熟ラムが度々市場に出回っています。今回はそのカロニの熟成に使用された樽を用いて3年ほど追加熟成を行ったとのことです。カロニ特有の溶剤っぽい香りやトロピカルフルーツ感が原酒に付与されています。
テイスティングイベントの様子は下記のYouTubeでも閲覧できるので、興味のある人はご覧になってください。
(2)テイスティング
【香り】
ラムぽい溶剤感、ドライトロピカルフルーツ、オレンジ、バニラ、メントールややフローラル。時間を置くとメロンクリームソーダの香りになる
【味】
アルコールの刺激、塩気、リコリス、ハーブリキュール、砂糖きびやシロップの甘さ、黒胡椒やジンジャーのスパイシーさ、シナモン。加水するとリコリスとクリームソーダの風味に
【総評】
アイリッシュの軽快さのおかげでラム樽の影響が細部まで存分に出た一本。トロピカルフルーツやリコリスのようなハーブ感も特徴的でやや癖が強い。時間を置いたり加水すると、香りも味もバニラの乗ったメロンクリームソーダになって面白い。じっくり時間をかけて、加水しつつ味を引き出したい一本。