(1)特徴
・シャマレル ブレンド ベリエ ラム アグリコール/Chamarel Blend Velier Rhum Agricole
・ロムリー・デ・シャマレル蒸溜所
・55.5%
ロムリー・デ・シャマレルはモーリシャスに位置する蒸溜所。かつてはサトウキビの栽培や製糖のみ行っていましたが、2008年からラムの生産も始めています。サトウキビの廃糖・糖蜜からではなく、フレッシュなサトウキビジュースのみを使って発酵、蒸溜を行うアグリコール製法によるラム生産を行っています。銅製のスティルを使って2回蒸溜を行うという、コニャックと同様の蒸溜方法を採用しています。また蒸留後はステンレス容器で6か月熟成してアルコール度数を落とし、その後アメリカンオーク樽やフレンチオーク樽で更に熟成をかけています。
ちなみにモーリシャスはハネムーンなどの旅行先としても人気がある、インド洋に浮かぶ島国です。1968年までイギリス領であり、かつては砂糖生産が輸出産業のほぼすべてを占めていましたが、近年は観光業のほかに、金融業(タックスヘイブン;租税回避地)としても有名になっています。日本との繋がりで言うと、遠洋マグロ漁船の中継地点(かつマグロ輸入先)として知られています。
(2)テイスティング
【香り】
木のテーブル、シンナー、バニラ、オレンジ、プラム、シャンプー、金木犀。加水するとよりオーキーになる。笹巻きの餅和菓子っぽい香りもする
【味】
甘くスパイシー、キャラメル、サトウキビ、穀物、オーク、南国フルーツ。加水すると柑橘感が良く出てくるとともに、オークが増す
【総評】
少しバーボンのようなシンナー感があるが、サトウキビやキャラメルの甘さがしっかり出ていて、飲み疲れなくバランスが良い。フローラルさや南国フルーツ感もあり華やか。ラムと言えば、こってりした甘々なものか、カクテルベースに使うようなシンナーっぽいツンと鼻につく香りがするものを想像するが、その中間にあるような風味で、入門用としても良いような気がする。