(1)特徴
・ベンリネス 15年(花と動物シリーズ)/Benrinnes 15yo(Flora and Fauna)
・ベンリネス蒸溜所
・45%
ベンリネス蒸溜所は、1826年にスペイサイド地方の町アベラワ―に設立された蒸溜所で、現在はディアジオ社が所有しています。主にジョニーウォーカーやJ&Bなどの構成原酒として使われており、シングルモルトとしてのラインナップは余り無い蒸溜所です。
かつては蒸溜方法に特徴があり、もろみ液の一部を3回蒸溜、それ以外は2回蒸溜と言う”2.5回蒸溜”というスプリングバンクと似た手法を取っていました。しかし2007年にこの2.5回蒸溜は廃止され、現在ではすべて2回蒸溜となっています。そのため今回テイスティングしたものは2009年頃の蒸溜なので2回蒸溜です。
入手しやすいボトルとしては、今回テイスティングしたディアジオ社の『花と動物シリーズ』がありますが、蒸溜方法の切り替えタイミングから考えると15年物は2022~23年頃を境に味が変わることが予想されます。もし現在の(2007年蒸溜以前の)15年物がお好きな方は、少し買い溜めしといて新しいものと比較してみても面白いと思います。
風味としては、スペイサイドらしからぬオイリーな酒質、ナッティさやサルファリーさが特徴とされています。
(2)テイスティング
【香り】
キャラメル、バニラ、カスタード、リンゴ、ぶどう、白い花のフローラルさ、アーモンド
【味】
麦芽やシリアル、樹液、オーク、シュークリーム、樽由来のスパイシーさ、リンゴの蜜
【総評】
しっかりした熟成感と麦芽の旨味で、クリーミーな甘さも強すぎずバランス良し。熟成感があり、酒質は比較的厚く飲みごたえがあるが、リンゴ感もありサッパリした余韻につながる。