余市 12年/Yoichi 12yo

(1)特徴

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余市 12年/Yoichi 12yo

余市蒸溜所/ニッカウヰスキー

・45%

余市12年は、ニッカウヰスキー余市蒸溜所(北海道余市郡)のシングルモルトウイスキー余市蒸溜所は、1934年に設立、ウイスキーの蒸溜はその2年後の1936年から開始。これがジャパニーズウイスキーの幕開けとなります。

ノンピートで穏やか、かつシェリー樽由来の瑞々しく華やかな風味が特徴となっている宮城峡原酒と比較すると、ピートが効いてどっしりした酒質が特徴となっています。

原料のピート麦芽に加えて、蒸溜工程にも特徴があります。ポットスチルは、下向きラインアームを持つストレートヘッド型で、多様な構成成分を含んで蒸溜されるため、複雑で豊かな味わいを生み出します。また何と言っても、石炭による直火蒸溜が特徴で、800〜1000℃の高温蒸留による焦げたような香味も付加されます。

今回テイスティングした余市12年も、そのようなどっしりした特徴を持っており、繊細で華やかな風味を持っていることが多い日本のシングルモルトの中では、かなり目を引く存在です。それだけに近年の原酒不足による終売が惜しまれており、個人的に復活を心待ちにしているウイスキーの代表格です。

 

(2)テイスティング

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【香り】

甘臭いレザー、フルーツポンチを煮込んだような甘さ、メープルシロップ、チェリー や李、マロングラッセ、生クリームやカスタード

 

【味】

とろみがあり、酒質が強くどしっとしたクリーミーさを感じる。麦芽メープルシロップ、オーク、スモーク。余韻は、スパイシーさと香木のようなオーク香

 

【総評】

スモーキーさはそこまで強くなく癖が無い。むしろクリーミーでとろみのある口当たりから、 強い酒質と麦芽感、メープルシロップのような甘みとスモーキーさが混然となり、力強い甘臭さとなっている。宮城峡12年同様、年数以上の熟成感を感じ、特に飲みごたえが強い。